2009年5月20日 Vol108
提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□


 「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
 操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせしています。


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  ロシア水域におけるさけ・ます流し網漁業の操業に当たって        

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 ロシア連邦の200海里水域における日本国の漁船によるロシア
系さけ・ますの2009年における漁獲に関する日ロ政府間協議は、
4月24日、モスクワにおいて協議を了するに到りました。

 協議の結果、操業条件は、中型船が1隻当たり280トン、小型
船は1隻当たり160トンとなり、今年は中型船16隻、小型船
15隻が出漁の予定となりました。また、ロシア側の取締に関する
覚書等の協議においては、中型船の指揮船の減少(2隻から1隻)
やVMSの事前封印の廃止など一部簡素化が行われました。

 一方で、協議の中でロシア側より、カムチャッカにおいては流し
網操業が海鳥や海獣に悪影響を与える他、価値の低い魚種などを
大量に海中に投棄しており資源に悪影響を与えているとして、流し
網漁業を禁止しようとする運動が活発化しているが、ロシア連邦漁
業庁としては、海鳥や海獣への影響は根拠が薄いこと、サケ・マス
資源が高水準にあり適切に管理されていること、日本との協力関係
を今度とも続けていくことが重要であること等から今後ともロシア
水域内における流し網漁業を維持するため努力していく旨の発言が
あったところです。これに関連して、ロシア側より、特に違反操業
に対しては厳しい対応をする旨言及しており、日本側に対しても、
従来の違反防止の指導に加え、傷ついたサケ・マスを海中に投棄す
ることは違反であることについて再度日本側に説明し、このことを
漁業者へ伝えるとともに指導の徹底をはかるよう求められている状
況にあります。

 昨年のロシア側による違反指摘は、操業日誌及びSSDの未記載
違反の1隻でしたが、違反が発生した場合、個々の漁業経営だけで
なく、我が国さけ・ます漁船の存続にも関わる問題となるほか、他
の協定に基づき操業している日本国の漁船全体に対するロシア側の
厳しい対応を惹起することになるなど、日ロ漁業関係の維持・発展
に重大な悪影響を及ぼすことが強く懸念されることから、各自がこ
うしたことを十分念頭において慎重に対応する必要があります。

 なお、操業水域の3a区は、同時操業隻数31隻という制限の下
で、小型船と中型船がローテーションを組んで秩序ある操業が義務
付けられております。漁場が狭く、操業しにくい水域ですが、関係
漁船間の相互連絡を密にするなど、ルールに則った秩序ある操業に
努めてください。

 本年は、小型船が5月9日に、中型船が5月12日に根室を出港
しました。現在はロシア水域での操業が行われているところですが、
これまで同様、ロシア側の規則等の遵守に努め、ロシア側に違反指
摘などをされないよう注意して操業してください。最後になります
が、安全な航海及び操業で実りある漁期の終了を迎えられますよう
お祈り申し上げます。

                                         水産庁遠洋課
                   
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                 (社)農林放送事業団
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                    漁船保険中央会
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