2009年6月10日 Vol112 
提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□


 「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
 操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせしています。


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   ソマリア海賊被害防止対策について(注意喚起)      

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 ソマリア海賊船の襲撃によりマグロ延縄漁船の安全操業に懸念が
生じています。セイシェル遠洋マグロ延縄協会は、ソマリア海賊の
ために、インド洋の主漁場での操業ができない状況が続いていると
苦境を伝えてきています。また、台湾マグロ延縄協会の情報によれ
ば、2006年に韓国籍マグロ船1隻、2007年に中国籍マグロ
船1隻が操業中に拉致され、最終的に、巨額の身代金を支払って解
放されました。また、今年4月、台湾籍マグロ船1隻がセーシェル
200海里内で操業中、武器を持った海賊数人に船内へ侵入され拉
致されました。海賊船は同船をソマリアへ連行する途中、さらに、
アメリカのコンテナー船を襲い、船長を拉致しましたが、アメリカ
政府が海軍の特殊部隊を派遣して船長を救出しました。しかし、台
湾漁船はそのままソマリアまで連行され、現在なお、船員と漁船が
無事に解放されるよう努力が続けられている由です。

 また、台湾の関連情報では、保険会社は、インド洋北緯15度から
南緯10度までのソマリア海域以東600海里において、タンカー
やコンテナー船等の拉致事件が頻繁に発生しているため、同海域を
保険の適用除外海域に指定している由であり、操業船のリスクが
高まっています。

 自国の商船を保護するために、関係国が軍艦をアデン湾に派遣し
ている結果、ソマリアの海賊が南下して無防備の漁船を襲撃する
ような事態をもたらしている模様です。

 かかる状況に対して、OPRT(社)責任あるまぐろ漁業推進機構は、
6月2日、東京で日本の他、台湾、韓国等外国OPRT会員とインド洋
操業船の海賊の襲撃を回避し、安全操業を確保するための対策を協
議しました。その結果、とりあえず、直ちに以下の通信連絡体制を
とることに決定しました。関係漁船は、所属団体からの本件通報に
注意して安全確保に努めるとともに、海賊に関する情報があれば、
所属団体に可及的速やかに通報してください。         

                記

1.所属漁船からソマリア海賊襲撃情報を入手したOPRT会員は、こ
の連絡体制に参加するOPRT会員に対し直接、「ソマリア海賊情報」
を件名とし、
@襲撃を受けた船の船名、コールサイン、
A襲撃を受けた日時(現地時)
B及び位置をファックス、e―メールで通報する。また、同通報を
OPRT事務局にも通報する。

2.通報を受けたOPRT会員は、その所属漁船に通報し、注意喚起
する。

3.OPRTは、受信した通報を、この連絡体制に参加する全会員に
通報する。


                         (社)責任あるまぐろ漁業推進機構
                   
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                 (社)農林放送事業団
           H P: http://www.agriworld.or.jp
           FAX:03−3585−5728         
                                                     
                    漁船保険中央会
           H P: http://www.ghn.or.jp/
                 
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