2014年12月9日 Vol 255
提 供 漁船保険中央会
■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□
「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせしています。
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大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)の年次会合の結果について
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去る11月10日から17日まで、イタリアのジェノバにおいて2014年
大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)年次会合が開催されました。
我が国からは、水産庁、外務省、経済産業省、独立行政法人水産総合研究センター
及び漁業関係団体の関係者が出席しました。
今回は、今年の年次会合の結果のうち、特に注目を集めた大西洋クロマグロの
保存管理措置についてご紹介します。
大西洋クロマグロについては、近年、漁獲枠の削減、漁獲証明制度の導入など、
保存管理措置が強化されてきた結果、資源の回復が確認されてきました。
今年10月のICCAT科学委員会(SCRS)において、大西洋クロマグロの資源評価が
行われた結果、東資源については、漁獲可能量(TAC:Total Allowable Catch)を
約23,000トンまで増やしても資源の回復に悪影響を与えない西資源については、
TACを2,250トンまで増やしても資源は減少しないという管理勧告が出されました。
これを受け今回の年次会合では、大西洋クロマグロのTAC及び各国・地域の割当量が
議論されました。
東資源については、最大の割当量を有するEUから3年間で20%ずつTACを増加させ、
最終的に約23,000トンまで増加させるという提案が出されました。
最終的なTACのレベルについてはほとんど異論が出なかったものの、その増加方法や
各国への割当方法について様々な要望が出され、特に割当方法については激しい
議論が行われました。
交渉の結果、過去に多くの漁獲実績を持つアルジェリア、トルコ等にのみ少量の
追加枠が設けられ、これを除いた総枠が各国・地域が現在持つ割当比率で
配分されることとなり、我が国も、従来通りの割当比率を確保しました。
具体的な漁獲枠は以下の通りです。
(1)東大西洋
2015年〜2017年の3年間のTACについて、以下のように増加することが
合意されました。
2014年:13,400トン (現行)
2015年:16,142トン (対前年2,742トン増)
2016年:19,296トン (対前年3,154トン増)
2017年:23,155トン (対前年3,859トン増)
※ただし、SCRSからの勧告を踏まえて、毎年のTACは再検討の可能性があります。
また、日本の割当量は以下のように決定しました。
2014年:1,139.55トン (現行)
2015年:1,345.44トン (対前年205.89トン増)
2016年:1,608.21トン (対前年262.77トン増)
2017年:1,930.88トン (対前年322.67トン増)
(2)西大西洋
現行1,750トン(うち日本の割当は301.64トン)であるTACを、
2015 年及び2016年の2年間、2,000 トン
(うち日本の割当は345.74トン)に増加することが合意されました。
次回の年次会合は、2015年11月に地中海のマルタ共和国において
開催される予定です。
水産庁国際課
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