2015年8月10日 Vol 271

提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□

「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせしています。

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第16回日中漁業共同委員会から

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平成27年7月14日(火)から7月16日(木)まで、農林水産省において、

「第16回 日中漁業共同委員会 第2回準備会合」及び

「第16回 日中漁業共同委員会」が開催され、2015年漁期の相互入漁における

操業条件や、中国サンゴ船問題への対応等について、両国政府への

勧告等が行われました。

 第2回準備会合には、枝元真徹水産庁資源管理部長及び

李書民(リショミン)農業部漁業漁政管理局副局長ほか、

第16回日中漁業共同委員会には香川謙二水産庁次長及び下川眞樹太外務省

アジア大洋州局審議官、趙興武(チョウコウブ)農業部漁業漁政管理局長

及び張葉飛(チョウヨウヒ)外交部辺海司副処長が出席しました。

協議の結果の概要は以下のようになっています。

1.日本の排他的経済水域における中国漁船の操業条件(2015年漁期)

中国漁船全体で、総許可隻数298隻(前年比5隻減)、総漁獲割当量9,341トン

(前年比100 トン減)となりました。

底びき網については、許可隻数240隻(前年比5 隻減)、漁獲割当量5,200トン

(前年比100トン減)、操業期間は前年同(9月16日から5月15日まで、

但し、1月1日から2月20日までは禁漁)、船間距離1,500m 以上を保つことと

なりました(操業条件を2年間固定)。

また、いか釣りについては、前年同(漁労船55隻、運搬船3隻、

漁獲割当量4,141トン)となりました。

2.中国の排他的経済水域における日本漁船の操業条件(2015年漁期)

日本漁船全体で、総許可隻数298隻(前年比5隻減)、総漁獲割当量9,341トン

(前年比100トン減)となりました。

まき網については、許可隻数96 隻(前年比1隻減)、漁獲割当量8,096トン

(前年比87トン減)、底びき網については、許可隻数22隻(前年比1隻減)、

漁獲割当量588トン(前年比6トン減)、延縄、曳き縄、釣りについては、

許可隻数180隻(前年比3隻減)、漁獲割当量657トン(前年比7トン減)と

なりました。

3.暫定措置水域の資源管理措置

暫定措置水域において操業する中国漁船の隻数を17,500隻以内(前年比489隻減)、

日本漁船は、800隻以内(前年同)とし、漁獲量の上限の努力目標値は

中国漁船1,662,372トン(前年比22,905トン減)、日本漁船109,250トン(前年同)と

なりました。

また、無許可漁船の早期根絶に向け、現場海域での取締り等の措置を強化する

こととなりました。

4.虎網漁船等の管理強化

虎網漁船をはじめとする新興まき網漁船の管理強化措置

(操業ルール(日中民間漁業安全操業議定書)の遵守指導の強化、隻数の凍結

及び今後の削減、禁止漁具化や漁具規制の導入の検討等)を実施することと

なりました。

5.中間水域の資源管理措置

資源管理措置に必要な資料を両国が相互に報告するため、引き続き関連する準備

(漁量に関するサンプル調査の改善を含む。)と交流を行うとともに、

漁船の隻数に対する必要な制限等による資源管理措置について、検討・協議を

継続することとなりました。

6.中国サンゴ船問題

中国サンゴ船の不法採捕を根絶し、再発を防止するため、これまでの両国の取組を

引き続き実施することとなりました。

(参考:昨年の合意事項)

・中国サンゴ船の不法採捕を根絶するため、両国が、継続して断固とした取締りを

行い違反者への厳しい処罰など、あらゆる措置を強化することで合意。

・また、中国国内において、密漁者や密漁に関与している者の調査・処分の強化

などの措置を総合的に講じることや、両国関係部局間の連絡体制(ホットライン)

の構築、密漁サンゴの流通ルートの解明など、両国で連携・協力して

取り組むことで合意。

                               水産庁国際課

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