2005年6月27日 Vol.28
提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━■□■□


   「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
  操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせします。
                 
 
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   平成17年さんま漁業のロシア水域における
                 操業上の注意について

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 今年も、あともう少しでさんま漁業の出漁の時期を迎えます。

 2005年のロシア連邦200海里水域における漁獲割当量等は、
2004年12月の第21回日ロ漁業委員会における交渉の結果、
全体の漁獲割当量は前年より約5,203トン少ない50,180
トン、さんまは前年より6,870トン少ない34,500トンと
決定されました。

 許可隻数枠は、昨年と同様315隻です。トン数階層別では、3
0トン未満が187隻、30トンから50トンが25隻、50トン
から100トンが15隻、100トンから350トンが88隻にな
っています。

 それでは、具体的な注意事項について申しあげます。 

 まず、操業日誌については、ロシア連邦政府の手続き規則を熟読
し十分に理解した上で、必要事項を記入し船内に保持して下さい。 

 また、ロシア水域に入漁する際には、ロシア連邦政府の手続き規
則に基づき、入出域通報、日別漁獲量、旬別漁獲量などの報告をカ
ムチャッカ通信モニタリングセンター(KCCM)へ行わなければ
ならないほか、月報については、連邦動植物衛生監督庁へ通報しな
ければなりません。

 さらに、KCCMへ報告する内容については、船舶日報にも記入
し、船長が署名の上、船内に保持するとともに、操業又は漁期終了
後に報告事項を求められても全ての報告事項を再提出できるよう保
管しておいて下さい。 

 次に違反操業の取締りに関する内容です。

 ロシア側は、毎年、交渉時に日本漁船の違反件数の多さ等を指摘
しており、このことが例年の交渉を難航させている一因となってい
ます。

 特に昨年は、他の漁業種類で、一昨年の操業においてチェックポ
イント不通過による違反が指摘され許可が発給されませんでした。

 さんま船も万が一違反操業問題が発生すれば、違反した漁船につ
いては2年間の許可発給停止となることは勿論のこと、違反を犯し
た個々の漁船の問題のみならず、日本漁船全体に対してさらに厳し
い操業条件が課せられることとなる等、日ロ漁業関係の維持発展に
重大な悪影響を及ぼすことが懸念されることから、出漁に際しては、
今一度操業手続を確認の上、細心の注意を払いながら操業を行って
ください。

 このほか、船舶位置情報(VMS)の欠落やロシア公務員とトラ
ブルについても大きな問題となっております。ロシア水域に入域中
は常にVMSの作動状況に留意するとともに絶対にVMSのスイッ
チは切らないでください。万が一技術的な不具合又は何らかの理由
でVMSの作動が停止した場合は、KCCMへ通報するだけではな
く、規制局へも操業の継続について照会してください。これを怠っ
た場合も違反となり、2年間の許可発給停止となることから十分に
留意してください。

 また、ロシア公務員とのトラブルは極力避けることは勿論ですが、
図らずしてロシア公務員とのトラブルが生じた場合には、至急、所
属する団体に連絡するとともに操業の手引きに基づき適切に対処し
てください。
 
 ロシア水域における違反の発生を未然に防止するため、各地で許
可申請取りまとめ団体が出漁説明会を開催し、ロシア水域の操業に
ついて注意事項を細部にわたって説明することとしておりますので、
必ず出席し注意事項を十分理解した上で出漁して下さい。

 2005年から、ロシア連邦行政当局の組織改編に伴う名称変更
や月報の送付先の変更など、細かいところに変更がありますので、
詳細については最寄りの関係団体等にお問い合わせ下さい。
 
 最後になりますが、今年のさんま漁業の出漁時期を迎えまして、
皆様のロシア水域での豊漁と安全航海を祈念しております。


                                                          
                                         水産庁沿岸沖合課

	
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                 (社)農林放送事業団
          H P: http://www.agriworld.or.jp
          FAX:03−3585−5728         
                                                     
                   漁船保険中央会
          H P: http://www.ghn.or.jp/
                                           
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