2005年7月6日 Vol.29
提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━■□■□


   「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
  操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせします。
                 
 
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  国際捕鯨委員会(IWC)第57回年次会合総会について.1

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 今年の国際捕鯨委員会(IWC)第57回年次会合総会は、6月
20日から24日にかけて韓国ウルサン市において開催されました。
 昨年のソレントでの会合以来9カ国が新たにIWCに加盟し、加
盟国は66カ国に達しましたが、実際に今次会合に参加した国は59
カ国でした。
 では、主要案件結果概要について報告します。

(1)鯨類捕獲調査
 今年春に18年にわたる計画を終了した第一期調査に続き、秋か
ら実施する第2期南極海鯨類捕獲調査の計画案を説明しましたが、
オーストラリア等の反捕鯨国から同調査計画案の撤回を求める決議
案(法的拘束力はない)が提案され、投票の結果、賛成30票、反
対27票、棄権1票で採択されました。
 しかし、日本より、科学的な根拠のない政治的な決議は受け入れ
ることはできず、調査を予定通り実施する旨を表明しました。

(2)改訂管理制度(RMS)の早期完成
 昨年の決議に基づき行われたRMS作業部会の結果を受けて議論
を行いましたが、一部の反捕鯨国が、RMSの完成はモラトリアム
撤廃を意味しない等の議論を繰り返したため、RMS採択に向けた
進展は得られませんでした。
 そのため日本は、関係国と協議の上、独自のRMS採択提案を行
いましたが、賛成23票、反対29票、棄権5票で否決されました。
 なお、RMSに関する今後の議論の方法についての決議が投票に
より採択されましたが、内容に実質的な進展はなく、継続審議を求
めるものに留まりました。

(3)鯨類サンクチュアリーの撤廃
 日本等から、南氷洋サンクチュアリーの撤廃を求める提案を行い
ましたが、賛成25票、反対30票、棄権2票で附表修正に必要な
4分の3の得票が得られず否決されました。
 一方、反捕鯨国側による新たな南大西洋サンクチュアリーの設置
提案も、賛成29票、反対26票、棄権2票で同様に否決されまし
た。

(4)沿岸小型捕鯨の捕獲枠の設定
 日本の沿岸小型捕鯨地域のためのミンククジラの商業捕鯨捕獲枠
を要求しましたが、賛成26票、反対29票、棄権3票で否決され
ました。
 しかし、穏健な反捕鯨国からもこれら地域に同情的な発言が行わ
れ、日本の提案に対する理解が徐々にではありますが進んでいるこ
とを窺わせました。

(5)次回の年次会合
 2006年の第58回年次会合は、5月26日から6月20日ま
で、持続的利用支持国であるセントキッツ・ネービスで開催されま
す。

                        
                        水産庁国際課
	
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                 (社)農林放送事業団
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                   漁船保険中央会
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