2016年6月30日 Vol 295

提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□

「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせしています。

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北太平洋溯河性魚類委員会(NPAFC)第24回年次会議の結果について

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北太平洋のさけ・ます資源の保存を目的として、北緯33度以北の公海での

さけ・ます漁業の禁止を主な内容とした「北太平洋における溯河性魚類の系群の

保存のための条約」が1993年2月16日に発効し、この条約に基づく

「北太平洋溯河性魚類委員会(NPAFC)」の年次会議が、加盟5カ国

(日本、米国、カナダ、ロシア、韓国)の持ち回りにより、毎年各国において

開催されています。

今年の第24回年次会議は5月16日から20日まで、釜山(韓国)の釜山ロッテホテルで

開催されました。

取締分野の会議では、2015年漁期のさけ・ます違法操業の取締実績報告が行われ、

加盟国の取締活動は取締船で100日以上、航空機で400時間以上実施されましたが、

違法操業は発見されませんでした。このことから、加盟国が連携して行う取締活動が

違法操業に対する高い抑止力となっていることが確認されました。

科学調査分野の会議では、加盟国の指導的立場にあるさけ・ます研究者が公海と

その隣接水域における太平洋さけ・ます及びスチールヘッドに関する漁獲状況や

調査計画について議論しました。

2015年の暫定的な北太平洋さけ・ますの漁獲量は、104万トン(5.07億尾)でした。

カラフトマスが全漁獲量の最も大きな割合(重量で44%)を占め、シロザケ(34%)、

ベニザケ(18%)と続きました。

ギンザケは漁獲量の3%、マスノスケは1%、サクラマス及びスチールヘッドは

それぞれ1%未満でした。

2016年には、アラスカ湾、ベーリング海、北西及び中央北部太平洋、

オホーツク海におけるさけ・ますの調査が計画されており、種類ごとの豊度、回遊、

分布、成長などの条件を調べる予定です。

なお、今回の年次会議において日本出身のモーリス和加子・元NPAFC事務局総務官が

2016年度NPAFC賞を受賞されました。

NPAFCの前身である北太平洋業漁業国際委員会(INPFC)時代から事務局に

長年勤務し、特に加盟国の取締当局間での情報共有と共同取締の推進に

重要な貢献を果たしたことが評価されての受賞です。

次回の第25回年次会議は、2017年5月15日から19日まで、ビクトリア(カナダ)で

NPAFC25周年記念行事と同時に開催されます。

                              水産庁国際課

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