2016年8月16日 Vol 297

提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□

「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせしています。

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全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)第90回会合(年次会合)の結果について

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去る6月27日から7月1日まで、米国のラホヤにおいて、全米熱帯まぐろ類委員会

(IATTC)第90回会合(年次会合)が開催されました。

IATTCは、東部太平洋のかつお・まぐろ類資源の持続的利用を目的とする

地域漁業管理機関です。

全体として、太平洋クロマグロ保存管理措置、メバチ・キハダ保存管理措置をはじめ、

重要事項の大半が合意に至らなかったことから、会合を中断、本年10月に再開して

議論を継続することとなりました。

会合には日本、韓国、中国、米国、メキシコほか中南米諸国、EU、台湾等の20の

国・地域、その他協力的非加盟国等が参加しました。

主な会合結果は以下のとおりです。

1.太平洋クロマグロ

(1)2017年以降の措置

米国提案の@長期的な管理目標導入に向けたスケジュール設定,

A商業漁業漁獲上限及び遊漁管理については現行措置の2年延長

及び

メキシコ提案の現行措置の2年延長、が議論されたものの,合意に至らず

再開会合に持ち越しとなりました。

我が方からは,

@本年3月の北太平洋まぐろ類国際科学小委員会(ISC)の結果を見ても,

現在の資源管理措置が暫定回復目標への資源回復に向けて期待された進展を

生んでいることは明らかである,

A従って,ISCの資源評価に基づき科学事務局が勧告した現行措置の二年継続は

支持する,

B他方,長期的管理目標については,本年9月に開催されるWCPFC北小委員会に

向け国内関係者と議論中であるため,現時点では合意できない旨主張を行いました。

(2)WCPFC北小委員会との合同作業部会

昨年のWCPFC北小委員会において、太平洋全域でのクロマグロの適切な管理に向けた

効果的な取組を目指し、IATTCに対して合同作業部会の開催を働きかけることが

合意されていましたが、今回の会合においてこれが承認されました。

作業部会は本年のWCPFC北小委員会(8月29日〜9月2日、福岡で開催)期間中に

開催されます。

2.メバチ・キハダ・カツオ

2017年以降の措置について,科学事務局はまき網漁業禁漁日数増加(62日→87日)を

勧告していましたが,まき網漁業メンバーが社会的な影響が大きいとして反対,

同じく科学事務局が準備した代替措置についても多くのメンバーが分析に時間を

要すると主張したことから結論に達せず,再開会合に持ち越しとなりました。

3.その他

事務局長選挙が行われ、現職のコンペアン博士(メキシコ)が選出されました。

また次回の年次会合は、2017 年7月頃にバヌアツ共和国で開催されることが

合意されました。

                              水産庁国際課                                    

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