2005年12月2日 Vol.33
提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━■□■□


   「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
  操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせします。
                 
 
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    CCAMLR海洋生物資源保存委員会年次会合の結果について

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10月24日から11月4日まで、ホバート(豪)において、第24回南極
海洋生物資源保存委員会(CCAMLR)年次会合が開催されましたので、
その結果概要を報告します。

 今回の会合には、委員会加盟の24カ国・地域の内、ポーランドを
除く23カ国・地域が出席し、我が国からは後藤農林水産省国際顧問
他8 名が出席しました。

 主な議論としては、メロのIUU(違法、無規制、無報告)漁業対策
とオキアミ漁業が中心でした。

 メロのIUU漁業対策については、2001年には漁獲証明制度(CDS)、
2002年にはIUU漁船リスト(ブラックリスト)制度、2004年には
漁船監視システム(VMS)の事務局集中化を実現しています。

 その結果、かつて1万トン以上あったIUU漁船によるメロの漁獲は、
2005年には2,086トンと3年連続で減少しています。

 また、今次会合ではブラックリストに新たに4隻が追加され、合計
18隻が掲載されました。

 さらに、今次会合においてはこれまでのIUU漁業対策を補完するた
め、@IUU船を支援する船(運搬船、タンカー等)に対する対策、
AIUU漁船国に対する対策、B非加盟国との協力の強化等について議
論され、具体的な措置等は新たに決まりませんでしたが、来年以降
もこれらの議論を行う予定です。

 オキアミ漁業については、ノルウェーが、袋網に集めたオキアミ
をポンプで取り込むという新技術を導入した漁船で、現行のオキア
ミ漁業(6カ国で約12万トン)より大幅な漁獲(ノルウェーのみで
約10万トン)を予定しています。これに関して、数カ国から懸念が
表明され、来年以降の操業状況を注視していく必要があります。
 
 また、ニュージーランドが提案した、オキアミ漁船への国際科学
オブザーバーの周年乗船義務については、我が国・韓国より資源量
が豊富なオキアミには必要ないと反論し、本提案は採択されません
でした。

 我が国が操業する海域での来漁期のメロ及びオキアミ漁獲枠(そ
れぞれ910トン、400万トン)は本年水準が維持されました。

 次回会合は、来年10月23日から11月3日までホバートで開催さ
れます。


                        水産庁国際課

	
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