2018年6月6日 Vol 338

 

提 供  日本漁船保険組合

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□

「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、操業上の注意事項や
国際会議の結果等をお知らせしています。

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北太平洋溯河性魚類委員会(NPAFC)第25回年次会議の結果について

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北太平洋のさけ・ます資源の保存を目的として、北緯33度以北の公海での

さけ・ます漁業の禁止を主な内容とした「北太平洋における溯河性魚類の系群の

保存のための条約」が1993年2月16日に発効し、我が国のほか、アメリカ、カナダ、

ロシア、韓国が、この条約に加盟しています。

例年、この条約に基づく「北太平洋溯河性魚類委員会(NPAFC)」の年次会議が

開催されており、今年の第25回年次会議は、5月15日から19日まで、カナダの

ヴィクトリア市で開催されました。

年次会議では、条約水域を回遊するさけ・ます類を不当に漁獲する漁船への

取締手法やその資源状況などについて議論しています。

取締分野の会議では、2016年における加盟各国のさけ・ます違法操業の

取締実績報告が行われました。

加盟国の取締活動は取締船で200日以上、航空機で540時間以上実施され、

これらの監視活動の結果として、我が国の水産庁の取締船及びアメリカの

沿岸警備隊の航空機により、2隻の不当にさけ・ます操業を行っていることを

疑われる漁船が目視されたことが報告されました。

なお、我が国の取締船が発見した当該漁船は、中国国旗を掲げていたこと等から、

外交ルートを通じて中国政府に通報を行っています。

科学調査分野の会議では、加盟国の指導的立場にあるさけ・ます研究者が公海と

その隣接水域における太平洋さけ・ます及びスチールヘッドに関する漁獲状況や

調査計画について議論されました。

2016年の暫定的な北太平洋さけ・ますの漁獲量は、85万トン(4.395億尾)でした。

その内訳をみると、カラフトマスが全漁獲量の最も大きな割合(重量比で41%)を占め、

シロザケ(33%)、ベニザケ(21%)と続きました。

ギンザケは漁獲量の3%、マスノスケは1%、サクラマス及びスチールヘッドは

それぞれ1%未満でした。

2017年には、アラスカ湾、ベーリング海、北西及び中央北部太平洋、

オホーツク海におけるさけ・ますの調査が計画されており、種類ごとの豊度、回遊、

分布、成長などの条件を調べる予定です。

なお、今回の年次会議の中で委員会発足の25周年記念式典が開催され、

開催地のカナダ政府や州政府代表者等による挨拶に加え、NPAFC初代議長等による、

北太平洋のさけ・ます資源の保存・管理を目的とした取締活動及び科学調査における

国際協力の重要性及び将来に向けた発展に関する基調講演が行われました。

次回の第26回年次会議は、ロシアのハバロフスク市において開催される予定です。

以上
水産庁国際課
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