2019年8月6日 Vol361

提 供  日本漁船保険組合

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□

「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、操業上の注意事項や

国際会議の結果等をお知らせしています。

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平成31年(令和元年)さんま漁業のロシア水域における操業上の注意について

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今年も、さんま漁業の出漁の時期を迎えました。

漁業者の皆様におかれましては、今年もロシア水域での操業が予定されている

ことと思います。

2019年のロシア連邦200海里水域における漁獲割当量等は、2019年4月の

第35回日ロ漁業委員会における交渉の結果、

全体の漁獲割当量は78,562.2トン(前年対比12,500トン増)、

棒受網漁業のさんまは59,150トン(前年比5,780トン増)、

するめいか616トン(366トン増)、

さば1,308.62トン(47.62トン増)

まいわし1,870.98トン(520.38トン増)と決定されました。

なお、今回の交渉より、かたくちいわしの漁獲量がまいわし又はさばに

含まれることとなりました。

さんまの許可隻数枠は、前年と同様313隻です。

トン数階層別では、30トン未満が185隻、30トンから50トンが25隻、

50トンから100トンが15隻、100トンから350トンが88隻に

なっています。

それでは、具体的な注意事項について申しあげます。

皆様のご苦労とご努力により、年々違反件数は減少しております。

しかし、ロシア水域操業においてロシア側の厳しい取締体制は変わらないと

思われます。

全さんまの作成したさんま漁業操業のしるべ及び付属書を熟読していただき、

操業日誌記載時の転記ミス等ケアレスミスに注意を払うようにお願いします。

また、昨年より臨検時に違反があった場合、「権利・義務についての通知書」、

「申立書」が作成されるようになりました。

もし、違反があった場合はしるべ18〜20ページを参考に記入して下さい。

前述しましたが、今年は混獲魚について、魚種として「かたくちいわし」が

なくなり、「まいわし」又は「さば」に含むように変更されています。

「かたくちいわし」の混獲は「まいわし」として計算するように

お願いいたします。

また、操業日誌・SSD・入出域通報の欄には「かたくちいわし」が

残っておりますが、記入・入力をしないで下さい。

皆様の努力により、SSD・入出域通報(公海への無害航行を含む。)の

送信については、スムーズな運用が行われるようになりました。

昨年より、公海への無害航行の通報が、入出域通報と同じ8時間前となりました。

運用はしやすくなりましたが、ロシアの境界線を越えるまでに、

必ずどちらかを変更または取消しをするようにお願いいたします。

入出域通報と公海の通報を間違って取り消すミスが起きております。

十分に注意をしてください。

また、今年から通報がウラジオストック・カムチャッカRTSMに

送信するようになります。

システムで対応しておりますが覚えておいて下さい。

入出域の臨検は今年も混雑が予想されます。

入域船はチェックポイントの西側に、出域船はチェックポイントの東側に並んで、

臨検を受けてください。

チェックポイントでの監視船へのVHF16chの呼び出しは、

しるべ29ページのルールに則り、きちんと呼び出してください。

また、船舶位置情報(VMS)の欠落の対処として、位置報告控えを

つけていただいております。

昨年、控えは6時間毎から2時間毎に変更されましたが、今年より元に戻り

6時間毎となりました。これまで通りに記録をお願いいたします。

昨年からデジタル式秤(証明書付)を積むことが義務付けになりましたが、

今年より日本語証明書の他に、証明書のロシア語訳を船内に保持するように

なりましたのでご注意ください。

アナログ式秤(証明書付)は、ロシア語訳は必要ありません。

今年はロシア国境警備局より、水・氷の魚倉入れる手順を確認したいとの

申し出がありました。

操業中の臨検となりますので、漁業者への妨げにならないように特段の配慮を

要請しておりますが、ご理解の上、ご協力をお願いいたします。

漁期中に公海操業をする場合、NPFC条約水域で取締船からの検査が

あるかもしれません。しるべの137、138ページを参考に乗船検査を

受けてください。

最後になりますが、皆様のロシア水域での無事故操業と豊漁を祈念しております。

                 全国さんま棒受網漁業協同組合

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