2006年7月10日 Vol.49
提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━■□■□


   「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
  操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせします。
                 
 
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    国際捕鯨委員会(IWC)第58回年次会合総会について

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 今年の国際捕鯨委員会(IWC)第58回年次会合総会は、6月
16日から20日までセントクリストファー・ネービスにおいて開
催されました。
 昨年の韓国ウルサンでの会合以来4ヶ国が新たにIWCに加盟し、
加盟国は70ヶ国に達しましたが、実際に参加した国は67ヶ国で
した。
 では、主要案件の結果概要について報告します。

(1)IWCの正常化
 我が国は、持続的利用支持国と連携して、IWC正常化のための
会合の開催を表明しました。
 この会合は来年1月あるいは2月に東京で開催される予定です。
 さらに、商業捕鯨モラトリアムは、もはや不要との見解を示すと
ともに、IWCの正常化を約束することを盛り込んだ「セントキッ
ツ・ネービス宣言」を提案し、賛成33票、反対32票、棄権1票
の賛成多数により可決されました。

(2)鯨類サンクチュアリーの撤廃
 日本より、南大洋サンクチュアリーの撤廃を求める提案を行いま
したが、賛成28票、反対33票、棄権4票で附表改正に必要な4
分の3の得票が得られずに否決されました。
 一方、毎年反捕鯨国側から提案される新たな南大西洋サンクチュ
アリーの設定提案については、今年は提案が取り下げられました。

(3)沿岸小型捕鯨の捕獲枠の設定
 我が国沿岸小型捕鯨のため、ミンククジラ150頭捕獲枠を要求
し、太地町からも演説を行いましたが、賛成30票、反対31票、
棄権4票で否決されました。

(4)捕獲調査
 反捕鯨国側が毎年提出している、捕獲調査反対決議は今年は提案
されませんでした。

(5)調査妨害の自粛決議
 我が国は、調査捕鯨等の調査活動に従事する船舶への不当な妨害
活動の禁止を求める決議案を、アメリカ、オーストラリア、ニュー
ジーランド及びオランダと共同で提案した結果、投票を行わずに採
択されました。

(6)次回以降の年次会合
 2007年の第59回年次会合は5月7日から31日まで米国の
アンカレッジで、また、2008年はチリで開催されます。
 なお、横浜市が2009年の会合開催地としてポルトガルととも
に、次回会合での決定に向けて立候補をしました。


                        水産庁遠洋課

	
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