2007年2月8日 Vol.56
提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━■□■□


   「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
  操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせします。
                 
 
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  マグロ類地域漁業管理機関(RFMO)合同会合の結果について

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1.会議の目的:
 マグロ類を対象とした5つの地域漁業管理機関及び加盟国が、一
堂に会する初めての合同会合が、1月22日から26日にかけて神
戸国際会議場で開催されました。
 合同会合の目的は、違法・無報告・無規制(IUU)漁業の廃絶
や漁獲能力の抑制等の世界規模の問題に対処するため、各地域漁業
管理機関の連携強化を図り、マグロ類の保存管理の向上に資するこ
とであります。

2.合同会合の結果
(1)現状のレビュー及び情報交換
 FAO(国連食糧農業機関)より、大西洋クロマグロ、ミナミマ
グロ等について過剰漁獲の状態にあるとの見解が示されました。
 また、OPRT(責任あるマグロ漁業推進機構)より、刺身市場
は、日本市場が縮小し、ヨーロッパ・米国等の市場が拡大している
との説明がなされました。
 各RFMOより、共通の課題として、効果的な資源回復計画の採
択、効果的な遵守・監視取締措置の実施、データ提出、他機関との
情報交換等が挙げられました。

(2)機能改善のための具体的な行動
 @ RFMO間の措置の調整
   効果的なIUU対策をとるために、正規許可船リスト・IU
  U漁船リストの共通化、運搬船へのオブザーバー乗船の一元的
  な実施について検討することで合意しました。
 A 漁獲能力の抑制
   各国とも漁獲能力管理の重要性を強調する一方、途上国(特
  に小島嶼国)は漁業発展の権利を確保すべきとの考え方を表明
  しました。
   我が国より、大型まき網の漁獲能力抑制及びメバチ混獲対策
  の必要性、蓄養場の過剰なキャパシティの解決の必要性につい
  て指摘しました。

(3) 行動方針
 上記の議論を踏まえ,今後とるべき行動の方針を作成しました。
 主な項目は以下の通りです。
 @ 重点分野
  ・ 開発途上国の自国漁業発展の権利を確保しつつ,漁獲能力
    を管理,適当な場合には削減すること
  ・ 監視・取締措置(VMS,オブザーバー、転載規制、蓄養
    の監視を含む)の統合的な実施、調整
  ・ IUU漁業対策のための措置
  ・ まき網FADs(集魚装置)操業による小型魚の混獲削減
    のための技術開発
 Aフォローアップ
   今後の各RFMOでの行動方針の実施,今次会合での合意事
  項の実施のスケジュール等が合意されました。
     
3.次回会合
 2009年にヨーロッパにて開催される予定です。


                        
                        水産庁国際課
	
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                 (社)農林放送事業団
          H P: http://www.agriworld.or.jp
          FAX:03−3585−5728         
                                                     
                   漁船保険中央会
          H P: http://www.ghn.or.jp/
                                           
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