2007年2月21日 Vol.58
提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━■□■□


   「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
  操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせします。
                 
 
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    韓国EEZで操業する際の注意事項について(2)

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 韓国側の水域で操業を行うに当たっての具体的な注意点について
お知らせいたします。
 
 韓国側水域で操業する漁船が準備しておくべき書類、装備等につ
いては、以下の内容が韓国側が定める「手続規則」に明記されてい
ます。
 @韓国政府から発給された許可証を操舵室の見えやすい場所に備
  えておくこと。
 A許可船であることが解るよう、許可番号を明記した所定の規格
  の表示板を船の両舷に掲示すること。
 B許可を受た当事者、当該漁船であることを証明するために、船
  長の船員手帳等の身分証明書や乗組員の名簿、漁船原簿の写し
  等を携行しておくこと。
 C操業状況を明らかにするために、所定の様式の操業日誌を備え、
  必要事項を随時記入しておくこと。
 D魚艙、漁具格納庫、燃油タンク等の「船艙」については、容量
  や配置を表示した図面を備えておき、漁獲物の隠匿が疑われる
  ことのないよう、図面上「魚艙」と記載しているところ以外に
  は漁獲物を収納しないこと。
 E韓国側指導船の指示を常時受信可能なように、無線電話機の電
  源を入れておくこと。
 F操業禁止水域や禁止期間では、違反操業を疑われることのない
  よう、その水域を通過するだけの場合であっても漁具を収納し
  カバーをかけておくこと。
 等々であります。

 さらに、2008年から新たに適用される事項として次の2つが
あります。
 @臨検の際、監督官が指示した場合は、臨検時点までの漁獲量を
  操業日誌に記載しなければなりません。このため、いつ臨検が
  行われてもいいように、漁獲の度に漁獲量をノートなどにメモ
  しておいて、臨検の際にはメモに基づいて臨検時点までの漁獲
  量を日誌に記入できるようにしてください。
 AGPSの航跡表示について、入域中は航跡を表示できるように
  データを保存しておかなければなりません。ただし、航跡表示
  の機能を備えたプロッターを装備している場合にのみ適用され、
  航跡表示機能のない機種については対象外です。また、機種に
  より航跡データの保存量により表示できる時間が限られるかも
  しれませんが、例えば記憶間隔を1分に設定するなどにより表
  示時間を延ばすことができますので、数日に渡り入域する場合
  は、入域中は航跡を表示できるように設定してください。


 これらの対応は2008年から必要になりますが、2008年か
ら円滑に実施できるよう今年から心がけるようにしてください。

 また、当然ではありますが、韓国側水域では韓国側の漁業指導船
等の指示にはちゃんと従うようにし、書類等の提示が求められた場
合は、速やかに応じるようにしてください。

 なお、新協定の発効以降、日本水域では多数の韓国漁船が水産庁
や海上保安庁により拿捕されていますが、その違反内容を見ると、
無許可等の極めて悪質なもののほか、入漁許可船でも必要書類の不
保持や不備により拿捕に至った事例も少なくありません。

 一方、韓国側に拿捕された日本漁船は、昨年と一昨年はありませ
んでしたが、今年は既に1隻拿捕されています。違反内容は操業日
誌に記入漏れがあったことによるものです。

 入漁する漁業者の皆様は所定の手続等を十分理解し、きちんと対
応するようにしてください。

 今後ともトラブルが発生しないよう十分に気を付けて操業してく
ださい。

                      水産庁沿岸沖合課


	
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                 (社)農林放送事業団
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                   漁船保険中央会
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