2007年2月23日 Vol.59
提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━■□■□


   「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
  操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせします。
                 
 
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  ロシア水域における遠洋底びき網漁業の操業にあたって

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 本年のロシア連邦200海里水域における抱卵期スケトウダラシ
ーズンの遠洋底びき網漁業(北転船)の操業条件については、昨年
12月、東京において開催された日ロ漁業委員会第23回会議にお
いて交渉した結果、漁獲割当量は、前年割当量より200トン多い
4,873トンとなりました。
 また、操業水域については東へ30分拡大され東経157度30
分までの水域となりました。

 それでは、操業に当たっての具体的な注意事項について申し上げ
ます。
 昨年11月に我が国遠洋底引き網漁船4隻がロシア官憲に拿捕さ
れ、3隻についてはペトロパブロフスク・カムチャッキー港に連行
の上、水揚げ検査を受け、裁判の結果、漁獲量超過等の違反で3隻
共に有罪の判決が下されました。
 乗組員、船体が長期にわたり拘束されたことは社会問題となり新
聞等のマスコミでもかなり報道されたところです。
 昨年末の日ロ漁業交渉においても、ロシア側は遠洋底びき網漁船
による違反の多発について強く非難し、日本側に違反の抑止策につ
いて強く求めました。

 近年、ロシア側は極東水域における密漁取締を強化しており、特
に1月から4月中旬は取締活動を強化する期間として、国境警備局
中心に関係省庁が協力して特別作戦「タイフーン2007」を行っ
ております。 
 昨年の拿捕事件がありましたので、我が国遠洋底びき網漁船に係
る検査、取締については、他の漁業種類以上に厳しい対応を受ける
可能性があります。

 また、近年、操業日誌の記載に加え、船舶日報(SSD)の報告
内容等についてもロシア側は厳しくチエックしており、これまでは、
技術的な問題としてきた軽微な違反であっても、ロシア側によって
拿捕される恐れがある厳しい状況になっています。
 操業に際しては、今一度操業手続き等を確認の上、また、同乗し
ているロシア人公務員の指導に従い細心の注意を払って操業を行っ
てください。
 毎年のようにロシア側に拿捕されている遠洋底びき網漁業につい
ては、他の漁業種類の操業にも多大な悪影響を与えている事実を十
分自覚し、関係者が一体となって、違反の根絶に努めるようお願い
します。

 最後になりますが、ロシア側に違反を摘発されることなく適切に
操業条件を遵守し、安全航海、安全操業で実りある漁期で終了でき
ますことをお祈り申し上げます。

                        水産庁遠洋課



	
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