2008年3月28日 Vol.71
提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□


   「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
  操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせします。


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   第77回全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)の結果について

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 3月5〜7日の間、米国のラホヤにおいて、第77回全米熱帯ま
ぐろ類委員会(IATTC)が開催されました。

 IATTCは東部太平洋におけるマグロ類の資源管理を司る地域漁業
管理機関であり、特に、メバチ・キハダに関し、2007年までは、
巻き網について年42日間の休漁、延縄については総漁獲可能量を
設定していましたが、昨年の6月、10月に開催された会合におい
ても、2008年以降の漁期について合意が得られなかったことか
ら、本年早期に特別会合を改めて開催することとなっていました。

 今回会合には、加盟国として日、韓、米、スペイン、フランス、
メキシコ、コスタリカ、パナマ、エルサルバドル、グアテマラ、エ
クアドル、ニカラグア、ベネズエラ、ペルー、コロンビア、バヌア
ツが参加した他、協力的非加盟国としてカナダ、中、EU、台湾及び
ベリーズ、加えてWWF等のNGOが参加しました。

 東部太平洋においては、巻き網漁船の数が増加し続けており、ま
た、多くの巻き網漁船が集魚装置(FADs)を使用して操業を行
うように
 なったことから、メバチ・キハダの資源悪化が懸念されて
います。特に、メバチについては、FADs操業により、小型のメ
バチ稚魚が大量に漁獲されていることが報告されており、このよう
な問題に対しいかに効果的な措置を導入するかが会合の焦点となり
ました。

 巻き網の休漁期間については、現在の42日から84日に増加す
べきとする事務局案に対し、ラテンアメリカ諸国から、操業に悪影
響が出すぎるとの懸念が出され、一端、60日間の休漁で関係国が
合意しかけましたが、エクアドルが増加を受け入れなかったことか
ら、合意を得ることができませんでした。

 メバチ稚魚の漁獲を減らすため、巻き網の禁漁区を設けることに
ついては、ガラパゴス諸島の西方に3ヶ月半設定すべきとした事務
局案に対し、多くの国が受け入れ可能としましたが、エクアドルは
原案から更に西方に移動させ、禁漁区の期間も3ヶ月半ではなく1
ヶ月程度とすべきとしたことから、合意が得られませんでした。

 このように、巻き網の操業規制について関係国で合意が得られな
かったことから、延縄について規制を強化するとの議論には至らず、
結果として、新たな管理措置の合意を得ることができませんでした。
 また、2007年の措置を単純延長することについても、資源管
理上十分ではないことから、支持を得ることはありませんでした。
 結果、この問題については、本年6月にパナマで開催される次回
委員会で継続協議されることとなりました。




                        水産庁国際課


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