2008年5月26日 Vol78
提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□


   「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
  操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせします。


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   ロシア200海里水域における我が国漁船による
    ロシア系さけ・ますの2008年における漁獲に関する
    日ロ政府間協議の結果について            

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1.標記政府間協議は、3月24日(月)から東京で開催され、4
月10日からモスクワにおいて継続されていましたが、4月25日
深夜妥結しました。日本側から長尾一彦水産庁資源管理部審議官ほ
かが、ロシア側よりオハーノフ A.A.漁業国家委員会国際協力
局長ほかが出席して協議が行われました。

ロシア200海里水域における我が国漁船によるロシア系さけ・
ますの漁獲量等
(1)漁獲割当量  9,735  トン(10,275  トン)
 うち、ベニザケ 3,000  トン( 2,988.8トン)
    シロザケ 6,339.1トン( 6,948.8トン)
   カラフトマス   218.5トン(    167  トン)
    ギンザケ    84.8トン(      75.7トン)
   マスノスケ    92.6トン(     94.7トン)
(2)操業隻数 43隻 (昨年46隻。本年は日本側の要望通り)
(3)1隻当たりの購入割当量
   小型漁船180トン、中型漁船275トン(昨年通り)
(4)入漁料   約29億円(昨年約30億円)
(5)操業条件の改善事項
   操業水域の拡大 (2a区の追加)

2.本協議では、ロシア200海里水域においてさけ・ますを漁獲
する我が国のさけ・ます漁業の操業条件について協議されています。

3.今次協議は以下の内容で妥結しました。
(1)2008年に日本漁船がロシア200海里水域内で漁獲する
さけ・ますの漁獲量を9,735トン(前年10,275トン)、
うち、べにざけの漁獲量は3,000トン(前年2,988.8ト
ン)、しろざけ6,339.1トン(前年6,948.8トン)、
からふとます218.5トン(前年167トン)。
(2)日本側の操業隻数は43隻(昨年46隻、本年は日本側の要
望通り)
(3)1隻あたりの購入割当量は小型漁船が180トン、中型漁船
が275トン(昨年どおり)
(4)入漁料総額 約29億円(昨年30億円)
(5)操業水域の拡大(2a区の追加)
(6)操業期間 小型漁船が5月11日から7月31日まで、中型
漁船が5月15日から7月31日まで

4.今回の協議において日本側は、燃油高騰、長期に渡るさけ・ま
す魚価の低迷等の影響で我が国さけ・ます漁業者の経営状況は非常
に厳しい状況にあり、出漁希望者も昨年からさらに減少したことか
ら、操業条件の改善に加え、入漁料の総額及び入漁料単価の削減を
主張しました。一方、ロシア側は、ロシア国内の漁業者への配慮や
世界的な水産資源の価格上昇傾向を理由に、入漁料支払いの増加を
強く求めました。

5.これらを踏まえ、交渉の結果、価格の高いベニザケの漁獲割当
比率の引き上げや操業水域の拡大、小型漁船の操業前倒し等で操業
条件が改善される一方、入漁料単価については前年と比較して約5
%程度引き上げることとなりました。

6.今年の交渉結果は上述のとおりとなりましたが、関係漁業者の
皆様におかれましては、安全な操業の確保に努めて頂きたいと考え
ております。また、最後になりましたが、皆様のご健勝と、ご安航
をお祈り申し上げます。

                                    水産庁国際課

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