2004年8月16日 Vol.8
提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━■□■□


   「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
  操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせします。
                 
 
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  第56回国際捕鯨委員会(IWC)年次会合の結果について

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 去る7月19日から22日まで、国際捕鯨委員会の第56回年次
会合がイタリアのソレントで開催されました。

 今回の会合を前に新しく加盟した6カ国を含む、IWC加盟57
カ国中56カ国が参加し、日本からは金田英行農林水産副大臣、森
本稔政府代表他50名余りが参加しました。

 議長が病欠、副議長が異動となったため、今次会合期間中は、
シュミッテン米代表が議長を、森本日本代表が副議長を暫定的に務
めました。正規副議長については、森本代表が候補者として推薦さ
れましたが、無記名投票の結果、得票差1票でクラインシュミット
(南アフリカ)が選出されました。

 日本の北西太平洋鯨類捕獲調査については、改良した調査計画を
提出しました。また、南氷洋捕獲調査についても、明年度から次期
調査を実施する旨を説明しました。なお、今年は、調査の自粛を求
める決議は撤回されました。

 日本より、南氷洋サンクチュアリーを撤廃するとともに捕鯨を再
開する提案(2914頭)を行いましたが、否決されました。一方、
反捕鯨国側による新たな南太平洋及び南大西洋のサンクチュアリー
の設置を求める提案についても否決されました。

 日本の沿岸捕鯨地域のためのミンククジラ(100頭)及びニタ
リクジラ(150頭)の商業捕鯨捕獲枠を要求した結果、支持は増
加しましたが、否決されました。ただし、我が国沿岸地域の救済へ
の努力を確認する決議が採択されました。

 RMS(改訂管理制度)については、商業捕鯨の再開を含むパッ
ケージ提案を議長が作成しましたが、反捕鯨国の強硬な反対にあい
特段の進展は見られなかったものの、次回会合で採択を目指すとの
決議が採択されました。

 保護委員会については、日本より鯨類の持続的利用の概念を盛り
込むことや委員会の名称の変更等を強く働きかけましたが合意が得
られず、多くの国とともに日本は欠席しましたが、何ら実質的な決
定は行われませんでした。

 来年のIWCは、5月30日から6月24日まで、韓国のウルサ
ン市で開催される予定です。2006年の会合は、仏との無記名投
票の結果、27対25でセントキッツ・ネービスに決定しました。

                        
                        水産庁国際課
    
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                 (社)農林放送事業団
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                   漁船保険中央会
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