2008年9月29日 Vol89
提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□


 「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
 操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせしています。

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     中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の
      第4回北小委員会の結果について            

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 本日は9月9日〜11日まで東京において開催された中西部太平
洋まぐろ類委員会(WCPFC)の第4回北小委員会の結果につい
てお知らせします。北小委員会は、2005年12月にWCPFC
の下に設置された補助機関であり、我が国周辺水域を含む北緯20
度以北の中西部太平洋におけるクロマグロ、ビンナガ、メカジキの
保存管理措置等をWCPFCに対して勧告する役割を有しています。
今回の北小委員会で作成された勧告は12月に韓国釜山市で開催予
定のWCPFC会合で採択の可否が検討されます。

 まずクロマグロについては、漁業による死亡率をこれ以上増やす
べきでないとの科学委員会の資源評価を踏まえ、各メンバーが、
@クロマグロの漁獲努力量を増大させないために必要な措置を取る
こと(特に0〜3歳の小型魚)、A漁獲データの収集を改善するた
めの措置を取ること、B来年の北委員会において、各国が取った措
置をレビューし、必要な場合には追加的な措置を検討していくこと
が合意されました。また、我が国周辺海域のクロマグロは東太平洋
まで回遊することから、この合意内容を東太平洋のマグロ類資源管
理を行っている全米熱帯まぐろ類保存委員会(IATTC)及びそ
のメンバー国(注:メキシコが大量のクロマグロを漁獲)に通報し、
同様の措置を取るよう求めていくことも合意されました。

 北太平洋ビンナガについては、ビンナガ資源は長期的に大きく増
減を繰り返していることを踏まえ、歴史的(1966〜2005年)な産卵
親魚量の最低水準を下回らないことの確保を当面の管理目標とし、
同水準を下回る見込みが生じた場合には、北委員会として漁獲圧力
を削減するための措置を取ることが合意されました。

 また、北小委員会の管轄魚種ではありませんが、メバチについて
は、本年のWCPFC会合において検討されるメバチ管理措置によ
って熱帯域での操業が困難となる漁船が北緯20度以北の水域に転
出して来ることのないよう、北委員会として本委員会に求めていく
ことが合意されるました。このほか、北太平洋公海域で流し網漁業
を行うIUU漁船が多数視認されていることが報告され、これら漁
船がビンナガ、メカジキ等を漁獲していることに懸念が示され、
WCPFCとしての取り組みが必要であることが確認されました。

                      水産庁国際課
                          
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