(独)日本政策金融公庫 農林水産事業本部の発行する「AFC Forum(フォーラム)」2016年7月号の記事「農と食の邂逅」では石川県七尾市のNOTO高農園 高 博子さんを紹介しています。
 石川県に能登半島と能登大橋でつながる周囲70余キロの能登島があります。ここに新規就農して、200店を超えるレストラン・シェフと300種以上の野菜の直販でつながるNOTO高農場があります。
 新規就農のきっかけやあり方は様々でしょうが、高さんの場合は、福岡市で建築関係の仕事をしていたとき、農業の将来性を感じていた夫の利充さん(44歳)が「農業をやりたい」と奥さんの博子さん(46歳)に打ち明けたのが始まりとか。いわば夫唱婦随。結婚後、知人をたよって富山県下で探したものの見つからず、2000年にやっと能登島に2haの耕作放棄地を見つけたそうです。目指したのは有機栽培。当初は十分な収穫はあがらず生活は苦しく、漁業の手伝いや郵便局の仕分けのバイトをしながら土づくりに励んできました。2006年ごろから地元スーパーのインショップ(産直コーナー)に出荷するようになり、店によって売れ筋に差があることなどを学んだといいます。そのころ県の職員から「野菜を東京で売りませんか」とさそわれました。知り合ったシェフたちが高農園を訪れるようになり、野菜を買ってくれたレストランに食べに行ったりしながら、何が求められているか勉強したそうです。
 高農場は現在20haまで拡大して何人かの雇用者もいるそうです。@販売先を自分で開拓してきたこと、A有機栽培したいという信念を貫いていること、B数少ない商機を臆せず生かしたこと、C手数をいとわず、求めに応じて高品質のものを適時・適量を配送する体制を構築したこと、など、学ぶべきことが多くあります。しかも、高さんは、「農業の切り口は多様で可能性はまだまだあり、この形が完成形ではなく、将来どういう形になるかはわからない、若い後継者を育てることにも取り組みたい」といいます。


詳しくは(独)日本政策金融公庫 農林水産事業本部の発行する「AFC Forum(フォーラム)」2016年7月号をご覧ください。