農林水産省が公表した平成27年の新規就農者数は全体で6万5030人となり、平成22年以来の6万人超えだそうです。就農形態も、一番多いのが新規自営農業就農者、次いで新規雇用就農者、新規参入者で、年齢的には49歳以下が35.4%となっています。
 ところで、AFCフォーラムでは、新規就農の特集を組んでいましたので、1,2紹介したいと思います。最初は「僕、俺、私たちは日本の農業を面白くする」で、6人の座談会です。5人が20から30歳代、稲作・畑作、酪農、レンコン、花卉(ラナンキュラス)・野菜・花木・稲作、野菜(青ネギ)経営に取り組んでいます。新規就農の動機はいろいろで、酪農は儲かるといわれたからとか、自然と共に生きたい、農業高校の制服がかわいかった、アルバイトしていていろいろな農家を見てきたが小規模でも利益を出している農家があったなどですが、共通項は農業に興味をもちつつも人と違う視線で農業を見ていることではないかと思われます。
 新規就農者が最初にぶつかる壁が地域への溶け込み方とよく言われますが、そのコツも、地域での飲み会には積極的に出て最後まで残り付合いを深め、新しい技術情報を積極的に取り入れることなどを上げています。
目標は、規模拡大して日本一の社長になる、自分の経験を生かして次代につながる研修施設を作りたい、規模拡大だけでなく生産性を上げていけば経営は成り立つなどもあげています。「地域でのパイオニア、先駆者となり自分のスタイルを探し出すのが成功のポイントではないでしょうか」―という言葉が印象に残りました。
 もう一人は、「新規就農は起業である」がモットーという、和歌山県の及川さんの話です。「農業は作るだけでなく、食べてもらうまでが農業」だと考え、奥様の実家の畑を少し借りてキュウリを作ったが、曲がったキュウリでも売り先を変えれば高く売れるという体験がこの構想のはじまりで、地元の農家に声を掛けて生産物を直売所やスーパーに卸すという営業の代行をする会社、株_業総合研究所を立ち上げたそうです。集出荷管理はバーコードで行い、売れ筋や残りの情報は会社が分析して生産者に返し、もちろん自らの生産物も売っています。流通段階での劣化を防ぐため物流も手掛けています。


 詳しくは日本政策金融公庫の広報誌AFCフォーラム1月号をご覧ください。