東京から東北自動車道を北に向かってどんどん走ると、関東平野から最初にぶつかるのが太平山(おおひらさん)を中心とした山塊です。白石さんたちNPO法人太平山南山麓友の会(地域住民が40人、地域外の協力者20人)の活動の舞台はここにあります。
 この地域は交通の便もよく、ハイキングやトレッキングの人たちが多く訪れていたところだそうですが、12年前に、こうした自然を守るとともに、子供たちに残そうとはじめた活動が、今年、「森林レク地域美化活動コンクール」で農林水産大臣賞に選ばれたそうです。
 活動は幅広く行っていますが、主なものとしては、来訪者を増やす活動と地域住民の活性化を狙ったものになるそうです。例えばハイキング・トレッキング用山道の整備、侵入竹の伐採、山の日の協賛事業として隣接の晃石山(てるいしさん)の登頂記念木札の制作・配布、耕作放棄地を利用した地域に伝わる七不思議伝説にちなむ農業体験などもあるとのことです。中には、参加者が3000人を超える行事もあるそうです。メニューだけ拾ってみても、春の山桜を見て山菜の天ぷらを楽しむ「食べよう春、万本桜の会」、地域特産のブドウを楽しむ「おおひらぶどうまつり」ではブドウ狩りとともに、早食い競争、正月には駐車場から筑波山や富士山まで一望できる関東平野からの「初日の出を見る会」など、一年中何らかの行事が行われているといいます。もちろんこれには地元の方々の協力がないとできないことです。一時は町内の三大へき地とまでいわれていたそうですが、これに落ち込むのではなく「ケガと弁当は自分持ち」で皆さんが頑張ったところに現在があります。

 詳しくは独)日本政策金融公庫 農林水産事業本部の発行する「AFC Forum(フォーラム)」2017年6月号をご覧ください。