2009年1月30日 Vol100
提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□


 「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
 操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせしています。

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中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第5回次会合の結果について            

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 2008年12月8日から12日まで、韓国釜山市において、中西部太平
洋まぐろ類保存委員会(WCPFC)第5回年次会合が開催されました。
会議にはメンバーである日本、韓国、中国、フィリピン、豪州、
NZ、太平洋島嶼国、EC、台湾、米国等の25の国・地域、
その他協力的非加盟国等が参加しました。主な結果概要は以下の
とおりです。

1. メバチの保存管理措置
 中西部太平洋のメバチについては、2008年8月の科学委員会で資
源を持続的に利用していくためには少なくとも30%の漁獲圧削減す
る必要があると勧告されており、今回の年次会合では、この削減
のための具体的措置を巡って活発な議論が行われ、以下の措置が
合意されました。なお、2010年以降の措置については、各国の実
施状況等を踏まえ、必要な見直しを行っていくこととなっています。
なお、メバチの保存管理措置の議論では、太平洋島嶼国のEEZが重
要な漁場となっていることもあって、これら太平洋島嶼国がメバ
チの資源管理と関連させながら自国経済発展の権利を強く主張す
る場面が目立ちました。我が国遠洋漁船の安定操業確保のために、
これまで以上に島嶼国の発展を考慮した形での協力関係強化を図っ
ていくことが必要となっています。

【まき網漁業】
2009年:(a)FADs(集魚装置)を用いた操業の2カ月間禁止、又は
(b)メバチの漁獲量を2001年-2004年の平均値から10%削減。
2010年及び2011年:FADsを用いた操業の3カ月間禁止等(2009年の
年次会合で代替措置も併せて検討)。
【はえ縄漁業】
2009年から、メバチの漁獲量を2001年-2004年の平均から毎年10%
削減(3年間で30%削減)。

2. クロマグロの保存管理措置
 太平洋のクロマグロに関しては、2008年7月に開催された第8回北太
平洋まぐろ類国際科学委員会(ISC8)では、クロマグロを将来にわ
たって安定的に漁獲していくためには、漁獲死亡を増大すべきでは
ないとの科学的評価が示されていました。この評価を踏まえ、9月に
東京で開催された第4回WCPFC北小委員会では、クロマグロの漁獲努
力量を増大させないために必要な措置をとること等について合意し
ましたが、韓国は国内検討に時間が必要であるとして留保を付して
いました。今次会合でも、韓国が引き続きこの留保を取り下げなかっ
たため、2009年の年次会合まで1年間審議が継続されることとなり
ました。ただし、各国が自主的に漁獲努力量を増大させない措置を
とることが確認されています。また、東太平洋でクロマグロを漁獲
しているメキシコが今次会合で新たに協力的非加盟国として認めら
れましたが、この際に同国がWCPFCのクロマグロ資源管理に協力して
いくことも確認されました。

3. その他
 衛星による漁船位置の確認を行う装置(衛星船位測定送信機:VMS)
による位置報告に関する手続き規則が合意され、2009年4月1日から
試験導入が開始されることが合意されました。
 次回会合については、2009年12月にタヒチ(仏領ポリネシア)で
開催される予定となっています。

                       水産庁国際課
                   
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                    漁船保険中央会
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