2004年11月9日 Vol.11
提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━■□■□


   「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
  操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせします。
                 
 
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  ワシントン条約(CITES)第13回締約国会議の結果概要

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 今回は、10月2日から14日の間、タイのバンコクにおいて開
催されたワシントン条約(CITES)第13回締約国会議(CO
P13)の結果についてお知らせいたします。

 クジラ関係の日本の提案(IWC関連決議及び北半球ミンククジ
ラのダウンリスティング提案)については、日本から関係国への精
力的な働きかけの結果、否決されたものの、それぞれ57票及び5
5票といずれも過去最大の支持票を獲得しました。
 このことは、資源が健全で豊富なクジラ類については持続的な利
用が認められるべきとの主張が一層定着し、増加しつつあることを
示しています。

 サメ類関連の提案に対し、日本は、サメ類の管理はCITESで
はなく漁業の専門機関であるFAOや地域漁業管理機関で管理すべ
きとの基本的立場の下、交渉や働きかけを積極的に行った結果、サ
メ類保存に関する決定については、CITESではなくFAOによ
るサメ類管理会議の開催を求める内容を採択させたものの、「人食
いザメ」で知られるホホジロザメについては、残念ながら数の力に
押しきられ、附属書掲載が採択されました。

 その他の海産種関連提案に対しても、日本は、同様の立場で対処
した結果、南極海洋生物資源保存条約(CCAMLR)との協調は
廃案に、公海での漁獲を意味する「海からの持込み」の解釈と実施
はFAOを交えての検討に、なまこ類については検討を次回COP
14に先送りに、それぞれ成功しましたが、一方で、サンゴ礁魚の
メガネモチノウオ(ナポレオンフィッシュ)の附属書掲載が、F
AOの支持勧告もあり採択されました。

 次回第14回締約国会議は、2007年にオランダで開催される
こととなりました。

 COP14においても、今回に引き続き海産種の提案が提出され
ると思われますが、これに対しては、対外的には支持国の拡大や連
携、また国内的には、対象種に関する漁獲や生物学的情報の収集・
分析や国内外の貿易・流通の把握等に引き続き努め、備えておく必
要があります。

 漁業者や関係業界の皆様方においては、協力をお願いいたします。


                      
                      水産庁漁場資源課

    
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                 (社)農林放送事業団
          H P: http://www.agriworld.or.jp
          FAX:03−3585−5728         
                                                     
                   漁船保険中央会
          H P: http://www.ghn.or.jp/
                                           
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