2009年6月1日 Vol111 
提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□


 「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
 操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせしています。


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  ロシア200海里水域における我が国漁船による
  ロシア系さけ・ますの2009年における漁獲に関する
  日ロ政府間協議の結果について        

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1.標記政府間協議は、3月24日から3月27日にモスクワで
開催され、さらに4月10日からモスクワにおいて継続されてい
ましたが、4月24日に妥結しました。日本側から宮原正典水産
庁資源管理部審議官ほかが、ロシア側よりベリャエフ・ロシア連
邦漁業庁科学・教育局長ほかが出席して開催されました。

2.本協議では、ロシア200海里水域においてさけ・ますを漁
獲する我が国のさけ・ます漁業の操業条件について協議されてい
ます。

3.今次協議は以下の内容で妥結しました。
 ロシア200海里水域における我が国漁船による
 ロシア系さけ・ますの漁獲量等
(1)漁獲割当量 6,880 トン( 9,735 トン)
うち、ベニザケ 3,000  トン( 3,000  トン)
   シロザケ 3,591  トン( 6,339.1トン)
 カラフトマス   155  トン(    218.5トン)
   ギンザケ    64.2トン(      84.8トン)
  マスノスケ    69.8トン(     92.6トン)
(2)操業隻数 31隻(昨年43隻。本年は日本側の要望通り)
(3)1隻当たりの購入割当量
   小型漁船160トン(昨年180トン)、
   中型漁船280トン(昨年275トン)
(4)入漁料   約21億円(昨年約29億円)
(5)操業期間  小型漁船が5月11から7月24日まで、
   中型漁船が5月15日から7月31日まで
(6)操業条件の改善事項
   ベニザケ漁獲割当比率の向上(31%→44%)

4.今回の協議において日本側は、燃油高騰、長期に渡るさけ・
ます魚価の低迷等の影響で我が国さけ・ます漁業者の経営状況は
非常に厳しい状況にあり、出漁希望者も昨年からさらに減少した
ことから、操業条件の改善に加え、入漁料の総額及び入漁料単価
の削減を主張しました。一方、ロシア側は、ロシア国内の漁業者
への配慮や世界的な水産資源の価格上昇傾向を理由に、入漁料支
払いの増加を強く求めました。

5.これらを踏まえ、交渉の結果、価格の高いベニザケの漁獲割
当比率の引き上げ等操業条件が改善される一方、入漁料単価につ
いては前年とほぼ同様のレベルに維持することで妥結しました。

6.今年の交渉結果は上述のとおりとなりましたが、関係漁業者
の皆様におかれましては、安全な操業の確保に努めて頂きたいと
考えております。また、最後になりましたが、皆様のご健勝と、
ご安全をお祈り申し上げます。


                                         水産庁国際課
                   
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                 (社)農林放送事業団
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                    漁船保険中央会
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