2004年11月19日 Vol.13
提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━■□■□


   「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
  操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせします。
                 
 
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  第11回みなみまぐろ保存委員会年次会合の結果について

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 平成16年10月19日から22日にかけて、みなみまぐろ保存
委員会の第11回年次会合が韓国・釜山市で開催され、メンバーと
して日本をはじめ豪州、NZ、韓国、台湾(同国を正式に議論に参
加させるための枠組「拡大委員会」のメンバー)の5ヵ国・地域が、
協力的非加盟国としてフィリピン、オブザーバーとして南ア、イン
ドネシアの計8ヵ国が参加しました。日本からは、粂水産庁資源管
理部審議官(政府代表)他水産庁、遠洋水産研究所、経済産業省農
水産室、水産業界関係者が出席しました。
会議の主な結果は次のとおりです。

(1)資源状況
 科学委員会より、当該資源評価の結果、加入が低いこと、及び産
卵場であるインドネシア水域における親魚資源の減少や低年齢化が
示唆され、現状の漁獲が継続された場合、資源は増加よりも減少す
る可能性の方が大きいことが報告されました。

(2)TAC及び漁獲枠の設定
@加盟国の2004/2005年漁期のTAC及び漁獲枠については、以下
 のとおり昨年同様とすることが合意されました。
 TAC:14,030t
  
  日本  6,065t
  豪州  5,265t
  NZ     420t
  韓国  1,140t
  台湾  1,140t

Aまた、協力的非加盟国及び今後同枠組みにより参加が見込まれる
 国に対しては、以下の漁獲制限を設定することが合意されました。
	フィリピン     50t
	南アフリカ     30t
	インドネシア 800t

(3)未使用漁獲枠貸借議論
 韓国の未使用枠の使用を巡る議論について、現在の資源状況では
実漁獲の増加に繋がる措置は避けるべきであることから、来年の年
次会合まで議論を延期することが合意されました。

(4)NZの増枠要求
 現在の資源状況では増枠できる状況にないことから、来年の年次
会合まで議論を延期することが合意されました。

(5)インドネシアへの警告書の発出
 協力的非加盟国としての枠組みに参加していないインドネシアに
対し、再度参加を求めるとともに行動計画に基づく制裁措置発動の
可能性にも言及したレターを2ヶ月以内に発出することが合意され
ました。

(6)ポジティブリスト決議の改正
 現行の長さ24m以上の漁船に限定しているポジティブリストの
対象を、全ての漁船に拡大する改正決議が採択されました。

(7)管理方式(TACを科学的データに基づき算出する方法)
 科学委員会より、今年完成する予定であった管理方式が完成でき
なかったことの報告を受け、今後1年間の作業計画を了承するとと
もに、科学委員会に対し、管理方式を来年の年次会合までに完成さ
せることが要求されました。

 なお、来年度の年次会合については、委員会年次会合を日本で開
催し、拡大委員会年次会合を台湾(台北)で開催することが合意さ
れました。
 また、開催時期については、暫定的に2005年10月11〜
15日とされました。


                        水産庁国際課

    
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