2015年6月11日 Vol 267

提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□

「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせしています。

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ロシア水域におけるいか釣り漁船の操業上の注意について

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昨年12月、日ロ漁業委員会第31回会議が東京で開催され、平成27年における

ロシア水域での日本漁船に対する漁獲割当量、操業水域等が決定いたしました。

いか釣り漁船の漁獲割当量は太平洋側のU−2区が30トン、

日本海側のX区は6,877トン、合計で6,907トンとなり、昨年より60トン少なく

なりました。

操業隻数は中型船47隻、大型船1隻の合計48隻となり、昨年より中型船が7隻多い

隻数となりました。

昨年、日本海におけるいか釣り漁場は、日本沿岸寄りでの漁獲量が少なく、

沖合のロシア中間ライン付近での漁獲が多かったため、

これまでロシア水域へ入域していなかった漁船も平成27年度からのロシア水域での

操業を希望しました。

このような新規船が増えたため、全国いか釣り漁業協会は平成27年度漁期における

漁獲割当量を、日本海側X区で昨年より1,491トン多い8,368トン要求しました。

しかしながらロシア側は、平成26年度漁期における消化率が42.3%と低いことを

理由に認めてくれませんでした。

一方、ロシア側は日本側の増枠要求理由に理解を示し、今漁期において

日本漁船の消化率が向上すれば、今年12月に開催される日ロ漁業委員会第32回会議で

漁獲枠増加の協議を行うことを約束しました。

今漁期ロシア水域で操業する皆さんには是非消化率を向上させていただき、

ロシア水域での十分な漁獲割当量を確保したいと思います。

次に、ロシア側の取締規則に関する変更点について説明いたします。

いか釣り漁船のロシア水域からの出域に係るSSDの通報時間について、

昨年までは「チェックポイント通過予定時間の4時間前まで」に通報しなければ

なりませんでしたが、今漁期から「チェックポイント通過まで」に通報すれば

良いことになりました。

この変更が認められたことにより、出域の際の手続きの煩雑さが少し解消されると

思われます。

また、ロシア入出域の時のチェックポイント通過「24時間前通報」について、

今漁期から「8時間前までに通報すれば良い」ことで昨年12月の会議で合意しましたが、

ロシア側の国内手続きが終了していないためか、まだ正式な通報がありませんので、

文書が届くまでは昨年と同じ24時間前通報を行い、通報が出された時点から

8時間前通報を行います。

チェックポイントには、全国いか釣り漁業協会が用船した監督官船「タマーラ号」を

配置いたします。

「タマーラ号」は総トン数683トンのロシアトロール仲積船で、ロシア公務員3人が乗船し、

チェックポイント業務を行いますが、日本語のロシア人通訳も乗船していますので、

臨検や船間連絡の際に言葉の問題は無いと思います。

「タマーラ号」のチェックポイントへの配置は、今のところ8月2日を予定していますが、

正式に配置日時、場所が決まれば直ちに各船に連絡いたします。

さらに、船内から出る生活ゴミの処理について説明いたします。

ガラスビン、ペットボトル、空き缶など燃えないゴミを海に捨てるとロシア国内法で

罰せられます。必ず分別して船内で保管し、仮に臨検の際に質問されたら、

保管していることを証明できるようにしておいて下さい。

最後に、皆様方の御安航と大漁を祈念いたしております。

                    一般社団法人 全国いか釣り漁業協会
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