2016年6月28日 Vol 294
提 供 漁船保険中央会
■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□
「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせしています。
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平成28年さんま漁業のロシア水域における操業上の注意について
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今年も、さんま漁業の出漁の時期を迎えました。
漁業者の皆様におかれましては、本年もロシア水域での操業が予定されていることと
思います。
2016年のロシア連邦200海里水域における漁獲割当量等は、2015年
12月の第32回日ロ漁業委員会における交渉の結果、
全体の漁獲割当量は64,500.6トン(前年対比78.8トン増)、
さんまは51,370トン(前年対比2,000トン増(1,650+350))、
いか、かたくちいわし、さば、いずれも150トン(前年対比各50トン増)と
決定されました。
さんまの許可隻数枠は、前年と同様313隻です。
トン数階層別では、
30トン未満が185隻、30トンから50トンが25隻、
50トンから100トンが15隻、100トンから350トンが88隻
となっています。
それでは、具体的な注意事項について申しあげます。
昨年皆様もご苦労されたと思いますが、ロシア水域操業においてロシア側の
取締体制が大幅に変わり、臨検について厳しさが増しております。
貴船の漁獲割当量を順守するとともに、操業日誌等の書類の記入について、
細部に関しても十分注意を払ってください。
これまでのように子細なことに関しても注意ではなく、直ぐに違反となって
しまいます。
ロシア側の要請により、SSD(一昨年)・入出域通報(昨年)の送信については、
船から電子メールにてカムチャッカKRCM・サハリン国境警備局に
直接送信しなければならないことになり、皆様にはご苦労を掛けておりますが、
今年からは公海への無害航行に関してもサハリン国境警備局に電子メールにて
直接送信することとなりました。
全さんまの作成したSSDメールシステム用・入出域メールシステム用
(公海への無害航行を含む。)のソフトの使用方法については、
さんま漁業操業のしるべの付属書を熟読していただき、入力例を参考に、
適正に入力、送信してください。
SSDは印刷し、船長の判を押印し、従来通り保管してください。
入出域に関しても印刷し、送信控えとして保管してください。
入出域の臨検は今年も混雑が予想されます。
ガスがかかっている場合等十分な注意を払い事故の無いようにお願いいたします。
チェックポイントでの監視船へのVHF16chの呼び出しは、ルールに則り、
きちんと呼び出してください。
また、操業水域での監視船からの停船の呼び出しに注意を払ってください。
操業日誌はロシア水域操業が終了しても3年間の船内保管をお願い致します。
また、以下の3点について再度の注意をお願いします。
1.船舶位置情報(VMS)が停止した場合の報告・照会手続きが明確化・
厳格化しました。
ロシア水域に入域中は常にVMSの作動状況に留意するとともに、
自船の位置確認と、位置報告控を忘れずに記入してください。
VMSの作動が停止した場合は、速やかにロシア水域を離脱するとともに、
位置報告控えを全さんまに送ってください。
VMSの再発信が、全さんまで確認された後に、再入域できることとなります。
これを怠った場合も違反となり、許可発給停止となるおそれがあることから
十分に留意してください。
2.事故等によりチェックポイントを通過せずに出域した船の水揚量確認が
義務化されました。
チェックポイントを通過せずに出域した船は、必ず全さんま・市場関係者に連絡し、
水揚港に用意されている所定の書類に記入し報告することを市場関係者に
依頼してください。
3.公海への無害航行について、入出域メールシステム内のソフトを用い、
入域24時間前までにサハリン国境警備局に送信してください。
最後になりますが、皆様のロシア水域での無事故操業と豊漁を祈念しております。
(一社)全国さんま漁業協会
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