2016年9月13日 Vol 298
提 供 漁船保険中央会
■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□
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操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせしています。
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中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第12回北小委員会の結果について
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去る8月29日から9月2日まで福岡県福岡市において、中西部太平洋まぐろ類委員会
(WCPFC)第12回北小委員会が開催されました。
また、今回は、太平洋全域における太平洋クロマグロの効果的な取組を目指して、
WCPFC北小委員会と全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)の合同作業部会が
北小委員会に併せて実施されました。
WCPFCは、中西部太平洋における高度回遊性魚類(マグロ、カツオ、カジキ類)
資源の長期的な保存及び持続可能な利用を目的とした委員会です。
北小委員会は、主に北緯20度以北の水域に分布する資源(太平洋クロマグロ、
北太平洋ビンナガ、北太平洋メカジキ)の資源管理措置について本委員会に勧告を
行うWCPFCの下部組織です。
会合には日本、韓国、中国、米国、カナダ、クック諸島、フィジー、バヌアツ、
台湾がメンバーとして、IATTCメンバーであるEU及びメキシコ、また太平洋島嶼国や
NGO等がオブザーバーとして参加しました。
我国からは太田水産庁資源管理部審議官、宮原農林水産省顧問(北小委員会議長)他、
水産庁、外務省、経済産業省、国立研究開発法人 水産研究・教育機構及び業界の
関係者が出席しました。
主な会合結果は以下のとおりです。
1.太平洋クロマグロ
本件については合同作業部会で行われた議論の結果が北小委員会で承認されました。
項目毎の議論の結果は以下のとおりです。
(1)資源評価結果に基づく現行措置のレビュー
北太平洋まぐろ類国際科学委員会(ISC)の資源評価結果等を踏まえて現行措置の
レビューを行った結果、現行措置を改正し、
@小型魚漁獲上限から大型魚漁獲上限への振替を可能とする規定の追加、
A養殖について監視とデータ収集を強化、等を組み込むこととされました。
(2)長期管理方策の検討
長期管理目標設定の考え方として、資源の特性や漁業実態等を踏まえ、
最大持続生産量(MSY)が条約の目的であることを認識しつつ、中間目標を立て
段階的に資源を回復させることとなりました。
また、2030年までの次期中間目標(現行の暫定回復目標は2024年までのもの)を
来年の北小委員会で作成することとなりました。
この他、限界管理基準値や漁獲管理ルールについては、来年の北小委員会で継続的に
議論を行うこととなりました。これらについては現行措置の改正に組み込まれます。
また、次期中間目標作成に必要となる科学的な検討をISCに依頼すること、
その結果をふまえて議論を行うための関係者会合を来年春に日本で開催することが
決定されました。
(3)緊急ルールの作成
加入量の著しい低下が発生した場合に緊急的に発動する措置(緊急ルール)に
関する提案を我が国から行っていたものの、決定には至らず、来年の合意に向け、
継続して議論することとなりました。
(4)漁獲証明制度の検討
我が方より、技術的側面を議論するための作業部会開催を提案したものの、
決定に至らず、議論を継続することとなりました。
2.北太平洋ビンナガ・北太平洋メカジキ
具体的な提案が出されなかったこともあり、議論は行われませんでした。
3.その他
2017年の北小委員会は、韓国で開催されることが決定されました。
水産庁国際課
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