2017年2月27日 Vol 313

提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□

「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせしています。

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全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)第91回特別会合の結果について

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さる2月7日から10日まで、米国のラホヤにおいて、全米熱帯まぐろ類委員会

(IATTC)

第91回特別会合が開催されました。

IATTCは、東部太平洋のかつお・まぐろ類資源の

持続的利用を目的とする

地域漁業管理機関です。

会合には日本、韓国、中国、米国、

メキシコほか中南米諸国、EU、台湾等の19の

メンバー、その他協力的非加盟国等が

参加しました。

 

今回の会合は、委員会にとって緊急を要する事項であるメバチ・キハダ

保存管理措置

について議論するために開催されたものです。

 

メバチ・キハダ保存管理措置は2016年に終了しました。

 

2017年以降の保存管理措置について、これまで二回(2016年6月の年次会合、

 

同10月の再会会合)議論が行われたものの、複数ある提案の一本化すらできない

 

状況にありました。

 

科学事務局は、メバチ・キハダとも資源は乱獲状態にあると評価し、

まき網漁業

禁漁日数の拡大(62日→87日;資源別には、必要な追加日数として

メバチで17日、

キハダで25日)を勧告するとともに、キハダ資源の回復に効果的な

措置は、

禁漁期間延長のみとの分析結果を追加で委員会に提示しました。

 

これに対し、大半のまき網漁業メンバーは、規制強化の必要性には

同調するものの、

社会経済的影響が甚大であることを理由に、禁漁日数の

拡大には反対しました。

 

今回の会合においても、米国提案、コロンビア・エクアドル共同提案を中心に

議論が

行われたものの、今回も一本化することにすら失敗しました。

 

これを受け、議長は、2017年は前年措置の単純延長とすることを示唆したものの、

 

米国及びEUは委員会の責務を果たしていないことになるとして懸念を示しました。

 

ここにおいて、我が方より、緊急的な措置として、

 

@禁漁期間を含め、前年措置の1年継続を基本とし、

 

A新たにまき網漁業に総漁獲上限
(メバチ及びキハダの合計で2013年−

15年の平均)を導入、

 

Bレビュー規定について、資源評価結果を踏まえ年次会合でレビューする

との

前年措置の記載から、資源評価結果を踏まえ年次会合でまき網漁業

禁漁期間の相当な

拡大又は同等の措置の導入を含む更なる措置を導入する

との記載に変更、

を内容とする措置を提案しました。

 

最終日、日本提案を基に提案が行われ、

Aについて、エクアドル及びペルーが

自国漁業への影響を理由に

反対したため、上限を漁法別(FAD、イルカ巻き)とし、

 

素群れ操業については漁獲上限なしとなった以外は、提案どおりで

採択されました。

 

東部太平洋において日本漁船にとり最も重要な魚種はメバチです。

 

メバチを最も漁獲し、かつ小型魚を多獲するFAD操業に現状ベースでの

 

漁獲上限を設定できたことから同資源の回復へ相応に貢献するものと

考えられます。

                        水産庁国際課
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