2005年10月25日 Vol.32
提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━■□■□


   「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
  操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせします。
                 
 
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        ロシア水域におけるサンマ漁業の終漁について

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 今年のサンマ棒受網漁業のうち、ロシアが管理する海域での操業
は、8月7日の小型船の出港から開始、10月5日に全船が出域、
7日に全てのロシア人公務員が帰国して終漁しました。

 今期の日本船向けのサンマ漁獲枠は34500トン、うち全さん
ま船分は32904トンで、水揚げは27120トン、漁獲枠の消
化率は82%となりました。ロシア海域で操業したのは、189隻
でした。

 今期の操業は、当初から大型魚が多く、水揚げも集中する状態が
続きました。このため、全国さんま漁業協会のさんま漁業漁獲協定
管理委員会(TAC管理委員会)は水揚げ後の休漁や積荷制限を行
いましたが、水揚げは昨年より多く推移し、単価は昨年の半分にも
下落する状態です。

 今年のロシア海域での操業では、漁獲トン数の報告について、ロ
シア当局に報告する数量の違いの指摘が2件ありました。漁獲トン
数は、漁獲容積に係数を掛けてトン数を報告する方式となり2年目
です。ロシア当局が今年の操業で昨年よりも厳しくこれをチェック
し、また、漁業者も計算式による報告に慣れていないため数量の違
いになったと思われます。このために漁獲割当超過違反となって罰
金を払うケースも出てきました。今後充分に注意して、報告書を作
成してください。

 今期の操業では、落石漁協所属の第3新生丸が、イスラエルのコ
ンテナ船に追突され転覆、乗組員1人が救助されましたが、7人が
死亡するという痛ましい事故が起きました。

 第3新生丸は帰港に向け航行中、斜め後ろから追突され、転覆し
た可能性が高いようです。同海域は貨物船の北米大陸との北航路に
あたり、大型船が頻繁に航行します。今回の事故のようなケースは
漁船側としては不可避ですが、航行速度も速い大型船と錯綜する海
域では、充分に安全を確認して操業、航行することを心がけてくだ
さい。



                       農林放送事業団

	
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                 (社)農林放送事業団
          H P: http://www.agriworld.or.jp
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                   漁船保険中央会
          H P: http://www.ghn.or.jp/
                                           
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