2017年8月22日 Vol 322

提 供  日本漁船保険組合

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□

「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、操業上の注意事項や
国際会議の結果等をお知らせしています。

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全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)第92回会合の結果について

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去る7月24日から29日まで、メキシコのメキシコシティにおいて、全米熱帯まぐろ類

委員会(IATTC)第92回会合が開催されました。

IATTCは、東部太平洋のかつお・まぐろ類資源の持続的利用を目的とする地域漁業

管理機関です。

会合には日本、韓国、中国、米国、メキシコほか中南米諸国、EU、台湾等の

21のメンバー、その他協力的非加盟国等が参加しました。

今回の会合では、現行のメバチ・キハダ保存管理措置が本年末で期限が切れる

ことから、これらの資源について、最新の資源評価結果に基づき今後数年間の

保存管理措置を作成することに議論が集中されました。

2018年移行の措置について、IATTC科学事務局が資源状態の悪いキハダ資源を念頭に

まき網漁業禁漁日数増加(62日→72日)を勧告したことを受け、勧告通り禁漁日数を

増加する米国提案、集魚装置(FADs)による規制や小型魚漁獲制限などを含む

中南米提案、FADs設置数規制に関するメキシコ・コロンビア提案、など多くの

決議案が提出されました。

また本年の措置に関し、漁法別漁獲上限による8月からのFADs禁漁を避けるべく

漁獲上限制度の廃止提案がエクアドルより提出されました。

これらの提案を元に、会議最終日深夜まで集中的議論が行われた結果、

2020年までの新たな保存管理措置が採択されました。

2018年移行の措置としては

@禁漁日数増加(62⇒72日)に加え、

AFADs使用制限数の設定(大型まき網:450基)及び位置情報等の報告義務、

BFADs禁漁15日前からのFADs設置禁止、

C大型まき網漁船(魚倉容積1,200m3以上)による禁漁15日前から行ったFADs操業数と

同数のFADsの回収義務等、FADs操業に関する新たな規制が多く設定されました。

また2017年の措置としては、漁獲上限制度を廃止する代わりに10日間の禁漁期間

増加が決定されましたが、そもそも漁獲上限に余裕のあったイルカ巻漁業については

当該10日間についてFADs操業禁止を条件に操業継続が認められました。

 はえ縄漁業については、メバチの米国向け漁獲限度量750トン等が合意されましたが、

我が国はえ縄漁業のメバチ漁獲枠(32,372トン)に変更はありません。

東部太平洋における日本漁船にとり最も重要な魚種はメバチです。

メバチを最も漁獲し、かつ小型魚を多獲するまき網漁船の休漁期間を増加したこと

及びFADs使用に多くの規制が設定したこのメバチ・キハダ保存管理措置は、

同資源の回復へ相応に貢献するものと考えられます。

                               水産庁国際課
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