2017年12月21日 Vol 328

提 供  日本漁船保険組合

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□

「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、操業上の注意事項や
国際会議の結果等をお知らせしています。

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中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第14回年次会合の結果について

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去る12月3日から7日まで、フィリピンのマニラにおいて中西部太平洋まぐろ類委員会

(WCPFC)第14回年次会合が開催されました。

会議には、日本、韓国、中国、豪州、NZ、太平洋島嶼国、米国、EU、台湾等

26メンバーが参加しました。

我が国からは、太田水産庁資源管理部審議官(我が国代表)ほか、水産庁、外務省、

国際水産資源研究所及び関係業界の関係者が参加しました。

主な結果は以下のとおりです。

熱帯マグロ(メバチ・キハダ・カツオ)

現行措置は、2017年で失効するため、来年以降の措置について、議論が行われ、

以下のとおり、2018年の1年間の暫定措置が合意されました。

(1) まき網(熱帯水域)

?小型魚を多く漁獲する集魚装置(FAD)を用いた操業の規制について、

排他的経済水域(EEZ)内は、4か月から3か月に、

公海は12か月から5か月に短縮。

一方、公海におけるFAD操業の禁止の対象が、

島嶼国がチャーターする船にも拡大、さらにFADの個数制限として、

1隻あたり常時350個以下とする規定が新設。

?公海における操業日数制限の適用範囲が、先進国のみから、島嶼国が

チャーターする船にも拡大。

?従来どおり、島嶼国メンバー以外は大型船の隻数を凍結する規定は継続。

(2)はえ縄

?メバチの漁獲枠を2015・2016年の規制水準とすることが決定

(我が国は16,860トン(2017年)から18,265トンに増加)。

太平洋クロマグロ

本年8月に開催された北小委員会の保存管理措置案が、多くの国からの評価する

旨の発言とともに、全会一致で採択されました。

※今回採択された保存管理措置

(1)次期回復目標(親魚資源量を歴史的中間値まで回復させた後の目標)

現在の目標である「暫定回復目標」を達成した後、10年以内に60%以上の

確率で「初期資源量*の20%(約13万トン)」まで資源を回復させる。

(* 資源評価上の仮定を用いて、漁業がない場合に資源が理論上どこまで

増えるのかを推定した数字。)

(2)長期管理方策の検討

(ア)漁獲制御ルール(資源変動に応じて管理措置を自動的に改訂するルール)

資源評価の結果、「暫定回復目標」の達成確率が、

@60%を下回った場合、60%に戻るよう、管理措置を強化、

A75%を上回った場合、

(a)「暫定回復目標」の70%以上を維持し、かつ

(b)「次期回復目標」の60%以上を維持する範囲で増枠の検討が可能。

(イ)管理基準値

「目標管理基準値(長期的に維持すべき資源の水準)」及び

「限界管理基準値(資源量がこれ以下となった場合、管理措置を強化する水準)」

について、2018年より議論を開始。

(3)緊急措置(加入の著しい低下が起こった際に緊急的にとられる措置)の作成

(ア)2020年まで、資源評価の頻度を2年毎から毎年に変更。

(イ)上記「漁獲制御ルール」を適用することで、迅速な管理措置の改訂により対応。

※なお、2018年の措置は、現行措置と同じく、以下のとおり。

(ア)親魚資源量を2024年までに、少なくとも60%の確率で歴史的中間値まで

回復させることを暫定回復目標とする。

(イ)30キロ未満の小型魚の漁獲量を2002-2004年の平均水準から半減

(我が国は4,007トン)。

(ウ)30キロ以上の大型魚の漁獲量を2002-2004年の平均水準から増加させない

(我が国は4,882トン)。

次回の年次会合は、2018年12月にミクロネシア連邦で開催される予定です。

                             水産庁国際課
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