2017年12月22日 Vol 329

提 供  日本漁船保険組合

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□

「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、操業上の注意事項や
国際会議の結果等をお知らせしています。

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日ロ漁業合同委員会第34回会議の結果について

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「日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の両国の地先沖合における

漁業の分野の相互の関係に関する協定」に基づく日ロ漁業委員会は、毎年、

日本とロシアの200海里水域における双方の漁船による漁獲に関する

条件などについて協議しています。

今年の会議は去る11月27日から12月6日まで、モスクワにおいて

開催されました。

会議では、日本側の交渉団長を神谷崇水産庁資源管理部長が務め、ロシア側団長は

サフチュク露連邦漁業庁副長官が務めました。

このほか、両国の外務省をはじめとした関係省庁や民間団体の代表者が会議に

出席しました。

主な結果は次のとおりです。

(1)漁獲量

ロシアの200海里水域では、日本漁船は主にサンマ、イカ、マダラなどを

漁獲しています。

日ロ双方の200海里水域における相手国漁船の漁獲割当量等の

操業条件については、最近の北太平洋における漁場形成の状況に照らして、

合理的な条件となるよう、協議がすすめられました。

その結果、日本側漁業者の要望を踏まえた漁獲割当量を確保するとともに、

受入可能な範囲の協力金等を負担することで実質的に妥結しました。

日本漁船の漁獲割当量など

【相互入漁】65,000トン

(主な内訳)サンマ 53,020トン イカ 6,188.25トン マダラ 1,108.8トン

協力費 7億4,980.1万円

【有償入漁】1,062.2トン

見返金 4,112.2万円

(2)取締の条件

両国の取締当局の関係者が中心となって、両国の200海里水域で操業する

漁船に対する取締の方法について協議しました。

日本側からは、日本漁船へのロシア人オブザーバの乗船方法の変更により

操業上の支障が生じていることなどを特に指摘し、その改善の必要性を

強調しました。

また、日本水域におけるロシア漁船の操業トラブル防止のためロシア側に

通訳を確保するよう要求しました。

その結果、ロシア側は通訳の確保について必要な措置を講じることを

表明するとともに、両国による取締は、漁船の操業に支障のない形で

行われることで双方の意見が一致しました。

(3)調査協力

このほか、日ロの研究機関が参画して行われる両国水域に存在する

水棲生物資源に関する調査協力について議論し、さんま、まさば、まいわし、

鯨類等の生態学及び数量動態に関する調査など様々なテーマの調査協力計画が

採択されました。

この計画に基づき、2018年に両国の科学者間による交流を中心とした

調査協力が行われる見通しです。
水産庁国際課
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