2019年3月7日 Vol 354
提 供 日本漁船保険組合
■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□
「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、操業上の注意事項や
国際会議の結果等をお知らせしています。
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日本の国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退をめぐる経緯ついて@
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昨年12月末、政府は国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を決定し、国の意思を
寄託国(米国)に伝えました。
1988年以来30年間続いたIWC内の捕鯨国・反捕鯨国間の不毛な議論に終止符をうち、
今年7月から、国連海洋法条約の下で、自国200カイリ内で資源の健全な鯨種を
対象にして科学的根拠に基づいた「持続的捕鯨」を再開します。
IWC離脱の意思は、菅官房長官が発表、関係各国に伝えられました。
また、IWCから離脱するものの日本が長年貢献してきたIWC科学委員会との協力は
継続し、従来通りのデータの提供も行います。
IWC総会にもオブザーバーとして参加する意思を表明しました。
一方、豪州、ニュージーランドなどが反発してきた、南極海での捕獲を伴う
科学調査(調査捕鯨)を中止し、非致死的調査(目視調査・バイオプシー調査等)は
引き続き行う方針です。
政府発表は、昨年9月ブラジルで行われたIWC総会での議論を踏まえたものです。
IWCは、2007年のアンカレッジ総会以来、捕鯨国と反捕鯨国との2極対立による
「機能不全」を解消する試みを模索してきました。
価値観は違っても国際捕鯨取締条約(ICRW)の目的
(鯨類資源の適切な保存と捕鯨産業の秩序ある発展)を実現するため、
いわゆる「商業捕鯨モラトリアム条項」を規定に沿って見直し、資源豊富な鯨種の
捕獲枠を出す枠組みづくりに向け努力が重ねられました。
このIWC改革は、2007年のホガース議長(米国)の主導で国際法の専門家である
チリのマキエラ氏を招き、主要国が参加するスモールグループを核に議長提案として
取りまとめる画期的なものでしたが、結局妥協案は「商業捕鯨絶対反対」を
国是とする強硬な反捕鯨国の反対により、2010年のアガデイール総会で棚上げに
なりました。
日本は、その後も粘り強くIWC改革に取り組み、昨年のブラジル総会では
「価値観は違っても同じ屋根(法)の下に同居できる方式」を提案しました。
しかし、この最終案も単純過半数で否決されたため、日本はIWCの機能修復は
不能と判断し、自国の主権の及ぶ範囲で、法的にも科学的にも公正で持続可能な
捕鯨の再開を選択するに至りました。
水産経済新聞
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