2006年3月1日 Vol.36
提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━■□■□


   「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
  操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせします。
                 
 
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     日ロ漁業委員会第22回会議の結果について

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 昨年11月29日から12月9日の間、モスクワにおいて「日ソ
地先沖合協定」に基づく「日ロ漁業委員会第22回会議」が開催さ
れ、2006年における日ロ双方の漁船による相手国200海里水
域での操業条件等に関する協議が行われました。日本からは政府代
表の末永・水産庁資源管理部審議官ほかが、ロシア側からはヌルト
ディノフ・ロシア連邦農業省漁業政策局次長ほかが出席しました。

 日ロ漁業委員会は、例年11月から12月にかけて会議が開催さ
れ、主に、1.相互性に基づき相手国200海里水域において操業す
る両国の漁船の操業条件、2.有償の条件によりロシア200海里水
域において操業する日本漁船の操業条件など、両国の漁業関係を巡
る諸問題について協議が行われます。

 ロシア水域における我が国漁船の2006年の操業に関しては、
ロシア側は同水域の底魚資源水準が下降又は低位安定傾向にあるこ
とや、自国漁船の優先利用等を理由に、外国漁船に対する漁獲割当
を削減するよう主張しましたが、日本側の粘り強い交渉の結果、カ
レイは漁獲割当量が前年より若干下回ったものの、スケトウダラ、
マダラ、サンマ、カジカ等の魚種については、前年同又は前年を若
干上回る漁獲割当量を確保することができました。

 その結果、相互入漁分については前年から1,087トン増の
51,267トン、有償入漁分については、漁獲割当量は前年から
40トン減の6,433トンといった内容で合意されました。
 さらに、相互入漁に係る協力費については、前年同の355万ド
ル、有償入漁の見返金については、前年から350万円減の2億4
650万円で合意されました。

 一方、日本200海里水域におけるロシア漁船の漁獲割当量につ
いては、ロシア水域における日本に対する割当と同量の51,26
7トンとなりました。

 なお、同会議は、昨年12月9日に妥結し、同26日に議事録へ
の正式署名が行われましたが、ロシア側の内部手続の遅延により我
が国漁船の出漁が遅延する事態が発生しました。本件以外にも、ロ
シア側の内部手続の遅延により我が国漁船の操業開始が遅れる事態
が近年頻発しており、これまであらゆるレベルでロシア側に対し、
再発防止を繰り返し強く申し入れてきた経緯があります。

 今回の事態を受け、我が国漁船の早期の出漁を確保するために、
末永・水産庁資源管理部審議官をモスクワへ派遣し、操業許可証の
発給に必要なロシア側内部手続を直ちに完了するよう申し入れを行
い、1月12日に許可証が発給されました。

 ロシアでは、2004年に行われたロシアの大規模な行政改革に
より、漁業関係当局は3つの組織に分かれましたが、関係法令等の
整備などは現在も進行して行われております。

 また、ロシア200海里水域における我が国漁船の漁獲割当量は、
ロシアが自国水域資源の自国漁船による漁獲の増大を進めること等
からも、長期的にみて減少傾向にあります。このような中、今後と
も、我が国の漁船がロシア水域において安定的に操業できるよう、
引き続き最善の努力を傾注することとしています。


                       水産庁国際課
	
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