2019年9月6日 Vol363

提 供  日本漁船保険組合

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□

「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、操業上の注意事項や

国際会議の結果等をお知らせしています。

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北太平洋漁業委員会(NPFC)第5回年次会合から

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 去る7月16日から18日まで、東京において北太平洋漁業委員会(NPFC)

第5回年次会合が開催されました。

NPFCは、北太平洋公海における漁業資源の長期的な保存及び

持続可能な利用の確保等を目的とする地域漁業管理機関で、サンマ、サバ類、

クサカリツボダイ等を管理の対象としています

(マグロ類、サケ・マスなど、他の条約の対象資源は対象外)。

会合には、NPFCに加盟している全ての国・地域(日本、カナダ、ロシア、中国、韓国、

台湾、米国及びバヌアツ)が参加しました。

(1)サンマの資源管理措置

 我が国は2017年からNPFC条約水域(公海域)でのサンマの漁獲数量規制の導入の

提案を行ってきました。

これまでのNPFC年次会合では、中国等が科学的知見の不足等を理由に規制の導入は

時期尚早としたため、NPFCにおける漁獲数量規制の導入は見送られていましたが、

本年4月のNPFC科学委員会で初めて加盟国・地域で一致したサンマの資源評価結果を

得たこともあり、本年のNPFC年次会合において、以下を主な内容とする措置に

合意しました。

・2020年のNPFC条約水域(公海)での漁獲割当量(TAC)を33万トンに制限

(分布域全体の漁獲量が55万6,250トンを超えないこととされたため、

日ロ200海里水域では、22万6,250トンまでの漁獲が可能)。

・各国の公海での漁獲量が2018年の漁獲実績を超えないよう管理。

・来年の年次会合でTACの国別配分を検討。

また、漁獲数量規制以外の措置として、サンマの小型魚保護のため、

6月〜7月に小型魚が多く分布する東経170度以東における漁獲の禁止を

奨励する措置も採択されました。

(2)マイワシ、スルメイカの資源管理措置

これまでNPFCの資源管理措置が導入されていなかったマイワシ、

スルメイカについて、許可隻数の増加抑制、公海操業漁船へのVMS

(衛星位置監視装置)の義務付け等の新たな資源管理措置が採択されました。

(3)IUU(違法・無報告・無規制)漁船対策

IUU漁船リスト(昨年までに27隻の漁船が掲載)に、新たに6隻の漁船が

追加されました。

また、全ての公海操業漁船にVMSの設置・報告等を義務付ける新たな

資源管理措置が採択されました。

(4)底魚類の資源管理措置

資源の悪化が懸念されている天皇海山海域のクサカリツボダイについて、

モニタリングにより資源状況が良好と判明した時点で漁獲の増加を認める

順応的管理の実施計画が採択されました。

                                 水産庁国際課 
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