2019年9月20日 Vol366
提 供 日本漁船保険組合
■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□
「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、操業上の注意事項や
国際会議の結果等をお知らせしています。
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全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)第94回会合の結果について
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今回は去る7月22日から26日にかけて、スペインのビルバオにおいて、開催された
全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)第94回会合(年次会合)についてお知らせします。
会議には、日本、韓国、中国、EU、米国、コロンビア、ニカラグア、メキシコ、
エクアドル、エルサルバドル等19メンバーが参加しました。(パナマ、キリバス欠席)
我が国からは、福田水産庁資源管理部調査官(我が国代表)ほか、水産庁、外務省、
国際水産資源研究所及び関係業界の関係者が参加しました。
主な結果は以下のとおりです。
1.熱帯マグロ(メバチ・キハダ・カツオ)
現行の熱帯マグロの資源管理措置は2020年まで有効ですが、近年集魚装置(FAD)を
使用した巻き網の操業回数が増加の一途を辿っていたため、現行措置の効果を
維持する観点から、FAD操業回数やFAD設置数等を制限することについて
議論が行われました。
しかし、来年予定されているメバチの資源評価結果も踏まえて議論すべきとした
エクアドル等の反対があり、意見が集約されず来年に向け引き続き検討が
行われることになりました。
2.太平洋クロマグロ
我が国の沿岸から米国西海岸まで広く回遊する太平洋クロマグロについては、
IATTCと中西部太平洋まぐろ類委員(WCPFC)北小委員会が協力して
管理を行っています。
来年の両海域の漁獲上限については本年9月に開催される両機関の合同作業部会で
議論されることが確認されました。
なお、東部太平洋で我が国漁船によるクロマグロの漁獲はありません。
[参考1]IATTCによる現行のメバチ・キハダの資源管理措置の概要
・まき網漁業:72日間の全面禁漁
大型漁船が使用する1隻当たりのFADsの数を450個に制限
・はえ縄漁業:平成19年(2007年)のメバチ漁獲枠の5%減
(我が国メバチ漁獲枠は32,372トン)
[参考2] IATTCによる現行の太平洋クロマグロ資源管理措置の概要
・令和元年(2019年)と令和2年(2020年)の2年間で、米国及びメキシコ
両国合わせた漁獲上限を6,200トンに設定。
[参考3] IATTC海域における我が国漁船の操業状況
・我が国はえ縄漁船55隻が、メバチ8,054トン、キハダ1,463トンを漁獲
(平成29年(2017年))となっています。
次回の年次会合の開催時期・場所は未定です。
水産庁国際課
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