2024年8月27日 Vol439
提 供 日本漁船保険組合

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□

「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、操業上の注意事項や

国際会議の結果等をお知らせしています。

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令和6年さんま漁業のロシア水域における操業上の注意について

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今年も、さんま漁業の操業が開始されております。
一部のさんま漁船におかれましては、今年もロシア水域での操業が予定されていることだと思い
ます。

2024年のロシア連邦200海里水域における棒受網漁業の漁獲割当量は、さんまは
25,624トン(前年対比6,000トン減)、するめいか519トン(前年同)、
さば1,194.2トン(前年同)、まいわし1,739トン(前年同)と決定されました。
なお、海区は「U−1区」と「U−2区」で漁獲割当量も海区毎に配分されました。
(上記の漁獲割当量は、U−1区とU−2区の合計です。)

今年のロシア水域内操業期間は、10月1日から10月31日(11月1日早朝)までとし、
ロシア水域への入域は、10月1日0時以降にロシア200海里境界線を通過して入域すること
としております。

それでは、具体的な注意事項について申し上げます。
一つ目に、2024年は日本側が用船した監督官船1隻に乗船する監督官3名により取締りが
行われます。なお、監督官船は、基本的にチェックポイント東−6に配置されると思われます
ので、チェックポイント東−6を通過することになると考えております。
なお、チェックポイントに監督官船がいない場合は、原則、日本漁船はロシア水域の入出域が
出来ませんので、監督官船の動向には注意して下さい。
二つ目に、ロシア水域で操業する場合の入出域通報の変更手続きが2021年から厳格化され
ました。通報内容の変更は、基本的に、当初通報した予定通過時刻の4時間前までに取り消し、
かつ新たな通過予定時刻の8時間前までに通報する必要があります。
なお、チェックポイント通過予定時刻は通報と一致する必要がありますが、チェックポイント
への到達が予定時刻よりも早くなった場合はチェックポイントの半径3マイルの円の外で待機し、
また遅れる場合はチェックポイントで監督官船に無線連絡することとなりますが、この場合、
監督官が日本漁船の到着が遅れた客観的な理由の有無とその正当性を個別に審議することに
なりますので、予定時刻に遅れることが無いようにして下さい。
また、日本漁船から送信された入出域通報は、サハリン国境警備局に届いたことを確認する
必要があります。通報メールに対する自動返信メールが送られてくるので、入出域システムで
自動返信メールの受信を確認して下さい。もし、通報後30分経っても自動返信メールが
送られてこない場合は、陸上通訳を通じてサハリン国境警備局に電話し、通報が届いているか
を確認して下さい。
届いていることを確認できた場合はチェックポイントに向かい、届いていない場合は出し直す
(8時間が確保されている場合は前の通報を、確保されていない場合は新たな通報を出す)
必要があります。

ロシア側からの違反指摘に関して、2020年漁期においてはロシア側が主張する200海里
ラインがGPSプロッターに入力されていなかったことにより、境界線を越えてしまい違反
指摘を受けた船が多数ありました。全さんまの作成した「さんま漁業操業のしるべ」の
77ページのポイントをGPSプロッターに入力して、200海里ラインを超えないように
注意して下さい。

船舶位置情報(VMS)は、ロシア操業時のみならず公海操業時にはNPFCからも発信が
義務付けられています。ロシア操業時の欠落への対処として、位置報告控えを2時間毎に記録
していただいております。また、VMSの位置情報はNPFC加盟国で共有されますので、
ロシア水域、公海、日本水域のいずれで操業するかに寄らず、操業水域については厳に遵守
して下さい。

漁期中に公海操業をする場合、NPFC条約水域(公海)で加盟国の取締船による検査が
あるかもしれません。取締船から検査の要請があった場合は、拒否せず、検査を受け入れて
ください。
また、公海で操業するさんま漁船は、コールサインの船体及び甲板への表示(コールサイン
を取得していない船は漁船登録番号の前に「JP−」を付けて表示)が義務付けられていま
す。しるべの33〜38ページを参考に、乗船検査及び船体表示への対応をお願いします。

最後になりますが、皆様のロシア水域での無事故操業と豊漁を祈念しております。

                           全国さんま棒受網漁業協同組合

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