2008年10月20日 Vol92
提 供  漁船保険中央会

■□■□━━━━━━━━「海外漁業情報」━━━━━━━━■□■□


 「海外漁業情報」では、海外で操業される漁業者の皆さんへ、
 操業上の注意事項や国際会議の結果等をお知らせしています。

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北西大西洋漁業機関(NAFO)第30回年次会合の結果について            

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 本年9月22日から26日まで、スペインにおいて開催されまし
た「北西大西洋漁業機関(NAFO)」第30回年次会合の結果に
ついてお知らせします。
 参加国は、我が国、カナダ、EU、米国、ノルウェー、ロシア、
デンマーク(フェロー諸島及びグリーンランドを代表)等12カ国
・地域の参加があり、我が国からは、飯野農林水産省顧問の他水産
庁、外務省、業界から関係者が出席しました。
 NAFOは、北西大西洋の漁業についての今後の多数国間の協力
に関する条約に基づき1979年に設立された、北西大西洋の漁業
資源の保存管理を行う地域漁業管理機関です。現在の加盟国は、我
が国、カナダ(事務局設置国)、米国、ノルウェー、ロシア等合計
12カ国とEUです。
 今回会合の結果は次のとおりです。

1.カラスガレイの保存管理措置について
科学理事会から、過去の漁獲が過剰漁獲であり、2009年の漁獲可能
量(TAC) について現行の16,000トンを10,471 〜 10,755 トン
の間に制限すべきとの勧告が示されておりましたが、科学理事会の
指摘する過剰漁獲は特定できないこと、各国の漁業の実態から資源
が悪化する傾向が見られないこと等から、2009 年については、現行
措置(TAC16,000 トン、日本の漁獲枠1,215トン)を1年間延長す
ることとされました。

2.脆弱な海洋生態系の保護
深海サンゴ等の脆弱な海洋生態系の保護のための措置として、新規
漁場と既存漁場で異なる扱いとし、新規漁場においては、VMSの
装備、オブザーバー乗船、事前の操業計画と事後の結果報告の提出
を内容とする新規漁場プロトコールが採択されるとともに、脆弱な
海洋生態系に遭遇した場合の重大な悪影響を回避するための運用手
続が採択されました。

3.寄港国措置
漁獲物の外国港湾での水揚げ及び転載に関しまして、漁船が外国港
湾当局に通報し、漁船の旗国がその内容を確認の後、港湾国が寄港
及び水揚げ等の許可を行うとともに水揚げ等の検査を行い、その結
果をNAFO事務局、漁船の旗国及び漁船に報告すること等を骨子
とする寄港国措置が策定されました。

4.次回年次会合は、2009年9月21日から25日までの期間
で、ノルウェーで開催されることとなりました。


                    水産庁国際課
                         
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                 (社)農林放送事業団
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           FAX:03−3585−5728         
                                                     
                    漁船保険中央会
           H P: http://www.ghn.or.jp/
                 
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