「JATAFFジャーナル」Vol15 No.12「特集 超高齢社会における新たな食品の開発」の中の「高齢者に望ましい食事と栄養」によりますと、わが国は、世界一の平均余命と健康寿命を達成しているのですが、平均寿命と健康寿命の間には、男性で9.1年、女性で12.7年の差があるそうです。つまり、この間は誰かが介護などの高齢者の生活を支援しなければならないことになります。この間の疾病としては、認知症や生活習慣病とくに脳血管疾患のリスクがあり、高血圧症が問題とされ、減塩が食事指導の中心的な課題とされてきました。減塩によって食事の摂取量が減少してしまうことが問題とされてきたのですが、とくに、最近は地中海式ダイエットが注目され、魚、野菜、豆類、果物、穀物、不飽和脂肪酸(オリーブオイル)の摂取が、認知機能やアルツハイマー症の発症リスクが低いという調査結果もあるそうです。
また、加齢に伴って、排せつとの関係も注目する必要があり、摂食と排せつをセットとして考えることも重要としています。
 日本人の食構成は1汁3菜が基本で、穀物はエネルギー源、主菜はタンパク質(植物質、動物質)、になるが、どちらにも偏らずバランスよく摂取する必要があり、汁物は高齢者にとっては嚥下しやすくするメリットがあるのですが、塩分の多摂取に注意し、出汁などを使ってメリハリのある味付けで減塩をすることが必要といいます。
高齢者は口腔の健康管理や摂食・嚥下機能の低下が出てくるので、高齢者が一人だけで食事をするのではなく、個々人の程度に応じて家族や地域を巻き込んだ対策が必要といいます。

 詳しくは公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会の機関誌「JATAFFジャーナル」Vol15 No.12をご覧ください。