
お米は世界の人が食べています

お米は、小麦、トウモロコシとともに世界三大穀物のひとつと言われています。世界の人々は、小麦とトウモロコシはパンやめん類など主に粉にしてから食べますが、お米は粒のまま食べています。約20億人の人々がお米を主食にしています。
お米は、アジアだけでなく、北アメリカ、南アメリカ、アフリカ、ヨーロッパなど世界の60カ国で約6億トンも作られています。世界で一番お米を作っている国は中国です。日本は9番目です。(2000年)
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▼世界の国々で、どれだけお米が作られているのでしょう。
世界の米は何種類?
世界の米には大きく分けて三つの種類があります。
ジャポニカ(日本型イネ)、インディカ(インド型イネ)、ジャバニカ(ジャワ型イネ)です。
■ジャポニカは、日本、朝鮮半島、中国東北部、ヨーロッパの一部などで主に作られています。
最近ではアメリカやオーストラリアでも作られています。つぶは短くて丸みがあり、たくとねばりとツヤが出ます。
■インディカは、中国の中南部、タイ、ベトナム、インド、マレーシア、バングラディシュ、フィリピン、アメリカなど主に作られています。
3種類のうちで生産量が最も多いお米です。つぶは細長く、たくとパサパサした感じになります。
■ジャバニカは、アジアの熱帯高地、アメリカ、ブラジル、イタリア、スペイン、アフリカなどで作られています。
つぶははばが広く、大つぶです。たくと味はあっさりしてねばりがあります。
お米は日本全国で作られています
私たちがふだん食べているお米はデンプン質という成分で出来ています。そのデンプン質の種類によって「うるち米」と「もち米」に分けられます。「うるち米」は、私たちがふだん主食として食べているお米です。「もち米」はねばりけの多いお米で、おもちやお赤飯にして食べます。
北海道から沖縄まで日本全国でお米は作られています。東京都でも作られています。
お米は畑でも作ることが出来ますが、日本ではほとんどが水田で作られます。皆さんの住んでいる近くに水田はありますか?
では日本全国でお米はどれくらい収穫されたのでしょう。平成20年の調べでは866万トンでした。都道府県別では北海道が一番多く、64万7500トンでした。皆さんの住んでいる都道府県ではどれ位収穫されましたか?
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▼自分の住んでいる都道府県のお米の収穫量はどれくらいあるのか調べてみよう。
日本ではどんなお米が作られているの?
日本ではどんな品種のお米が作られているのでしょう。
第1位はコシヒカリです。30年以上連続で1位を守ってきたチャンピオンです。平成20年には日本のお米全体の37.7%がコシヒカリでした。北海道と東北の一部を除いて全国で作られています。
第2位はひとめぼれです。平成20年は全体の10.6%がひとめぼれでした。東北地方を中心に作られています。
第3位はヒノヒカリです。平成20年は全体の10.3%がヒノヒカリでした。九州を中心に中国・四国地方や近畿地方などで作られています。
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▼コシヒカリ、ひとめぼれ、ヒノヒカリの他どんなお米があるか調べてみよう。
お米はどうやって作っているの?
お米は稲という植物の実です。では、みんなが食べるお米が出来るまでをおいかけてみましょう。

稲(いね)の種は田植えの20日前ぐらいに、苗床にまきます。苗床とは、芽を出した苗を育てるところです。
田は、トラクターで15〜18cmの深さまで耕してから水を入れます。
田植えの3日くらい前にトラクターで代かきをします。代かきとは、田んぼの土のかたまりをくだいて平らにする作業です。
苗が10〜20cmになったら田植えをします。
苗は1株2〜3本ほどまとめて、2〜3cmの深さに植えます。
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▼代かきは田に水を入れる前に行なうのはなぜでしょう。
▼田植えの機械は、どんな機械なのか調べてみよう。
■田植えの後は、水の管理をしたり、肥料をあげたり、雑草や害虫から稲を守るための作業をします。
田植えの後、苗の根もとから新しい茎(くき)がたくさんでてきます。
茎(くき)は成長し、茎(くき)の中の穂の赤ちゃんがだんだん大きくなります。
茎(くき)から穂が出てきて稲(いね)の花を咲かせます。
花が終わると米つぶが大きくなっていきます。
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▼稲(いね)の花ってどんなものか調べてみよう。

刈り取った稲は水分を多く含んでいるので乾燥します。乾燥させると脱穀やもみすりがしやすくなります。
脱穀とは稲(いね)の穂と茎を分ける作業です。最近では、農家はコンバインという刈り取りと脱穀を同時に行なう機械を使用しています。
お米は稲(いね)の穂にたくさん付いているもみの中に入っています。もみの殻(から)はかたいので、殻(から)を割ってお米を取り出します。この作業をもみすりといいます。
もみすりが終わった稲の実を玄米(げんまい)といいます。
■玄(げん)米(まい)の粒を選別して、精米すると、みんなが食べるお米(白米)になります。
玄(げん)米(まい)の中には、もみの殻(から)や、虫にかじられた米、小さなガラスや小石が混じっているので、良い玄米だけを選び出します。これを選別といいます。
そして精米(せいまい)の機械で玄米の皮(ぬか)をむくと、みんなが家で食べているお米(白米)になります。
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▼もみと玄米と白米のちがいをもっとくわしく調べてみよう
おこめはどうやって食べるの?

しかし、食事以外でもお米を食べているんですよ。うるち米やもち米を粉(こな)にして、おだんごや、白玉、ようかん、おせんべいなどにして、お菓子(かし)として食べています。
■あたらしいお米の食べ方が注目(ちゅうもく)されています。
うるち米を今までとちがう方法で粉にした米(こめ)粉(こ)がパンや麺(めん)に利用されているんです。
パンは小麦に含まれるグルテンという成分を利用して作られています。お米にはグルテンが含まれていないので、今まではお米でパンを作るのは無理とされていました。
ところが、粉にする技術とパンを作る技術が進歩したので、新しい米(こめ)粉(こ)を使って、パンや麺(めん)を作ることが出来るようになったのです。
これによって、小麦アレルギーのために今までパンやうどんなどが食べられなかった人も食べられるようになりました。米(こめ)粉(こ)のパンはふつうのパンとちがい、食べるともっちりした食感があります。麺類ではうどんやラーメンが作られています。
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▼お米と小麦のちがいをもっと調べてみよう